おさえておきたい昨今のソーシャルゲームの現金回収どころ

ここの所ソーシャルゲームのCMがバンバンはいっていた時代が少しだけ終焉を迎えたイメージはありますが、まだまだソーシャルゲームは「常時小銭が大量にはいる状態」には変わらず、人気ゲームコンテンツとなっています。
理由としてはわざわざPS3、箱といったハード本体を起動する必要がなく、片手にもてるガラケーやスマホを起動するだけで、どこでも参加出来るところが最大のポイントですよね。
今回はこうしたソーシャルゲームのおさえておきたい現金回収のハイライトをおさらいしてみましょう。
いったいどうしてそんなにお金を使うの?

月に1万はザラですし、稀に月10万と言う人もいます。
月にというか、使ってしまう人は1日に10万くらい使って、後悔する人もいます。
一般的な人でも月に5000円ならそこに全力でお金を使う人もいます。(なぜ5000円なのかは後で記述)
おそらくソーシャルゲームなんていうものを、一度も使ったことが無いという人にとっては、摩訶不思議ワールドだと思いますので、具体的にソシャゲの流れから見ていきましょう。
ジャンプでも有名なトリコ、ワンピースといったメジャーなタイトルもソシャゲには存在するわけですが、今回は家庭用ゲーム好きならみんな大好き「FINAL FANTASY(以下:FF)」のソシャゲを攻略して行きましょう。元々家庭用のゲームがソシャゲになるとどれくらい
(逆にいうとFFすら知らんと言う人にとっては少しわかりにくいかもしれない)
200万人参加、みんなハマるモバゲのFFブリゲイド
歴代のジョブが選べます。戦士、白魔道士、黒魔道士、シーフといったジョブです。
ジョブ選んだあとは、そのジョブが得意とする「アビリティ」と「装備」と「召喚魔法」を設定する。
この3つの攻撃力とか守備力とかの数値が、ゲーマーのドーパミン排出量に直結します。
至極単純です。この3つを強化することがこのソシャゲの脳汁量に直接働きかける要素なので覚えておきましょう。
他のゲームでもだいたい同じく、名前が違うだけで「攻撃力」「ライフ(HP)」「仲間」「武器」といった物を強化することが、ドーパミンに働きかけます。
おまけとして本体の「レベル」や「ジョブレベル」があります。ジョブはいつでも変更ができ、それによって「得意なアビリティと武器」が変わるわけです。ジョブレベルが上がると上位ジョブにつけるようになります。
レベルが上がると装備できるアビリティや武器の性能が良い物、数を多く装備出来るようになっていきます。
ここまでは家庭用ゲームとあんまり変わらない部分ですね。
以下動画は3分あるので、記事見てもわからない人向けです。
どのへんがソーシャル?
FFのソーシャル部分は中々よく考えられています。
まずはじめに、通常のダンジョンなるものに入ると
3戦ほど自動戦闘が行われ、イベントになります。
この戦闘はライフポイント(レベルに応じてあがる)が無くなるまで何度でも行うことが可能です。
ライフポイントはソーシャルゲームが通常かならず取り入れている「リアルタイム時間」によって回復します。
もう一つ、レベルアップしても回復します。
イベントは、黄色チョコボ、白チョコボ、黒チョコボに出会います。
他にも色んなイベントがありますが、このチョコボに出会うというのが一番多いです。
チョコボには、野菜を上げることでアビリティがもらえます。
先ほども言ったように、強いアビリティがその後のドーパミンに直結しますので、このイベントは外せない重要な要素です。
さて、このチョコボ。
黄色チョコボはレアなものはほとんどくれません。
いわゆるカスアビリティです。
白や黒はレアなものをくれます。出会う確率もレアで、通称レアチョコボです。アビリティはレアであればあるほど攻撃力が高く、また、強化するとビックリするくらい高性能なものになります。しかし、「普通の野菜」では、黄色チョコボはすぐにアビリティをくれますが、レアチョコボの場合は低確率です。ここで「素敵な野菜」を上げると100%くれるようになります。
出会うのも低確率で、そこから貰える確率も低確率。
はい、登場しました。課金アイテム「素敵な野菜」。
この辺はまだ今までのソシャゲと変わりませんので押さえる必要はありません。
時間をかけて何度もイベントを起こせばそのうちレアチョコボでもアビリティをくれます。短時間で集めたい人は「素敵な野菜」を買えばいいのです。
少し違うのは、この課金アイテムの購入を促す要素にソーシャルが取り入れられている点です。
この動画を見ればどんな感じかわかるのですが、レアチョコボからアビリティを貰うと、そのレアチョコボを人に紹介出来ます。例えば私が課金ユーザーで、素敵な野菜をたくさん持っています。するとたくさんのレアチョコボからアビリティをもらえます。
これを、アイコンが可愛い無課金ユーザーのマリンという人に5回教えたとします。
マリンはそのレアチョコボと5回遭遇できます。
でもこれ、いわゆる海外のスパム広告でよく見かける「1000万円を獲得するチャンスを獲得しました!」と同じ状態です。
「レアアビリティを獲得するチャンス」を5回獲得したわけですが、その5回「普通の野菜」を上げてもアビリティを貰える確率は「低確率」なので、結局もらえずに終わります。もらえない=チョコボ情報を人に教えることができないという一種の後ろめたい感情が湧き上がります。
廃課金ユーザー同士だと、レアチョコボに「素敵な野菜」を使い、レアをゲット→人に教える→教えられた人も「素敵野菜」使う→教えてくれた人に教える
というのを繰り返すと、レアチョコボをお金が無くなるまで使い回しできるわけです。
そんなのを繰り返していると、マリンは思います。
いつも教えてもらえるのに、それに答えられない・・・
ちょっとだけ課金して「素敵な野菜」を手に入れようかしら・・・
マリンは「素敵な野菜」を200円で購入して、一度だけ恩返しようという気になりました。→現金回収ありがとうございます。
他のソシャゲでもこれが最近良く使われます。
つまり、レアを獲得するチャンスを他人と共有する機能です。
チャンスを獲得するアイテムに課金、これが日本で最もスタンダードな現金回収システムです。
そしてチャンスを譲る機能を上乗せすることで、チャンスをくれた人に恩返しする為に課金するという「後ろめたいから課金」が最近のソシャゲの動きです。
ところが貰えるものは必ずガチャで抽選されます。
ここがややこやしいので重要なポイントです。テストに出ます。
いくらレアチョコボだからと言っても、必ずしも大当たりをくれるわけではありません。200円の素敵野菜をつかっても、あくまでもレアアビリティをゲットするチャンスが100%になっただけで、100%レアが当たるわけではありません。
海外と日本の大きな違いの一つです。これは後で後述します。
ドーパミンの出しどころ
どのソシャゲにも、必ずドーパミンがどっかんどっかん出る場面が用意されています。
このFFブリゲイドも同じです。
何回もダンジョンを捜索していると、ボスに出会います。
このボスはHPが大変高く、さらに制限時間があります。しかし一人ではとてもじゃないけど倒せません。
そこで登場するのが、「メンバーにメールでお知らせ」です。FFの場合1週間ごとにメンバーが抽選で振り分けられます。これを飛空艇団と呼びます。そして抽選で選ばれた飛空艇団と、これまた抽選で選ばれた飛空艇団で対決を行います。
このボスを倒せばレア武器が手に入るチャンスが得られます。
ところがこのボスは、2つの飛空艇団で倒し合います。最後に倒した方と、いっぱいダメージを与えた方に褒美が与えられるんですね。素晴らしいシステム。
このメンバーにボスがでたぞとメールでお知らせすると、登録したメールに「ボスがきたー」とお知らせされる仕組みです。だって一人じゃ倒すの大変なんだもの。これに関しては以下の動画を見るとわかりやすいです。
しっかしよくできたCMですw
ここは仲間とほぼリアルタイム感を味わえるようになっています。
誰かがダメージを与えたらそのログが残っていくわけですね。
誰々が8,000ダメージを与えた、とかです。
そんな中、課金して強化されたユーザーが居ると一人だけトンデモなダメージを与えます。
マリンが7,000ダメージ与えた。
ちゃらい人が8,000ダメージ与えた。
課金者が500,000ダメージ与えた。
別飛空艇の人が9,000ダメージ与えた。
マリンが7,000ダメージ与えた。
ちゃらい人が8,000ダメージ与えた。
課金者が600,000ダメージ与えた。
と、こんな感じです。
ここでは、攻撃するために必要なバトルポイントというものが必要で、これを稼ぐには「時間」、ダンジョンに5分くらい潜ってレベルアップ、もしくは「ハイエーテル」でポイント回復。
はい、でました。課金アイテム「ハイエーテル」。1000円で11個だったかなたしか。
こんな感じなので、敵の飛空艇団からしてみると、なんだこいつは・・・になりますし、味方からしてみると、この人がいれば勝てる・・・・!!になるわけです。
こうしてダメージを与えていると、敵の残りHPが最初は100万あったとして、残り500とかになったとしましょう。
この状態だと、敵の飛空艇団の無課金ユーザーでも倒せます。敵に倒されてはもともこもありません。
くそう、あとちょっとなのに・・・
「ハイエーテル」か・・・ゴクリ・・・←現金回収ありがとうございます
という罠にハマるわけです。
廃課金している人は、一回ダメージを与えた後、すぐにエーテルをごくごくすることで、すぐにまたダメージを与えられます。つまり、頑張れば一人でもボス倒せます。
これがドーパミンがどっかんどっかん出る部分です。
とにかくレアアビリティ、レア武器を強化するため、手に入れるためにも、ボス撃破は必須です。ここでのダメージソースになれるのが「現金」という事です。
このドーパミンをいかにして生み出すかをどんどん開発していっているのが今のソシャゲの姿となっているわけですね。
そしてそれは無限
ある程度課金して強くなろうとも、それが永遠に続くようではソシャゲとして終わっています。永遠に搾取し続けなければいけません。
FFブリゲイドの場合は、その1ヶ月あらわれるボスに対して有効なレア武器が登場したりします。勿論レア武器がでても、それを強化するのに時間とお金がかかります。
次の月になると、次のボスが用意されてたりするわけで、そうなると次なるレア武器が必要になります。
こうして次々とお金を使うように様々な仕組みが練られているわけですね。また、一度課金をしてドーパミンを出してしまうと、翌月、弱体化した自分は他人の目が気になります。
殆どの場合、そんな事を気にしてあの人弱くなったとか、考えもしないのですが、本人がそう思うようになるのです。
「この人先月強かったのに今月だめね」
そう思われたくない、社会的に認められたい(ゲームの中のみ)という感情に対して、そっと用意されているのが課金アイテムとなっています。また、一度ドーパミンを出してしまうと、次もドーパミンを出したくなるのが人間というものです。多くのMMORPG中毒者が、MMOを卒業する一番の理由に、「実社会にて認められるようになると、もうMMOはプレイしなくなる」というものがあります。
社会的に認められたいという人間の欲求をココぞとばかりにくすぐる仕組みづくり、これが現在のソシャゲの実情です。
どうして月5000円くらい使うユーザーがいるのか
これに関しては各キャリアの決済方法導入に伴う大人の事情も絡んでいます。
現在は、携帯電話を利用して、携帯電話の料金と一緒に請求する上限がだいたい5000円まで、10000円までという制限のせいでもあります。
これは、未成年者の利用で月20万も請求された!!という親の訴えが年々増えていった事が原因の一つです。
携帯電話の請求書が廃止されたのもこのあたりに一つの秘密があるのではないかなと思います。
なににいくら使ったかが明細として届かなくなったので、とりあえずこっそりFFブリゲイドに使ってもバレやしないわけです。ちなみにソフトバンクで、GREEのゲーム5,000円を携帯電話料金上乗せ課金をすると、ソフバンはその1割をGREEから集金することが出来ます。
そんな美味しい理由のためか、今はそんな事ありませんけど、昔は課金するのに、ソフバンは認証番号入力を省いていた時期もあったわけです。
海外と日本のソシャゲ
海外の課金は、実はかなりスマートです。
例えばもう、レア武器を直接現金で販売、HPが増えるアイテムを現金で販売とか、直接的な現金販売が多いのと、ソシャゲのスタンダートとなっている時間制限解除の課金というのが多い。一品一品は高いが確かなものを販売する傾向にあります。
なんにしてもソシャゲは
・あと10分まてば次の行動が出来ます
・あと1時間でこの料理が完成します
といった時間的なストレスを与えるゲームです。こうした時間を短縮させるのが課金というのが、海外のソシャゲでは一般的な仕様です。
これに対して日本では、レア武器を獲得するチャンスを販売とか、レア武器を強化する事が出来るチャンスを販売、コミュニティで目立つように、アバターや、仕草等を獲得するチャンスを販売というのが主流。
いわゆるガチャですね。
一品一品は安いが、確かなものを手に入れるチャンスのみを販売するのが多いわけです。
また、これまで最強の現金回収システムとして使われていた「コンプガチャ」が使えなくなりましたので、それにかわる案として、誰かに対して後ろめたい気持ちを持たせ、それを解消するアイテムを販売とか、ドーパミンが出る舞台に、より多くの人が関わるようなソーシャル性を持たせて、ドーパミン排出量を上げたりを考案されています。
たんなる超レアアイテムを持っているだけ、ランキングだけでは、もはやドーパミンなどでなくなってきているので、このあたりのゲーム内での社会的な見られ方に対する強化が半端ないわけですね・・・。(最強集金コンプガチャとは?
説明すると長くなるのではしょりますが、例えばレアカード10種類を全てコンプリートすると得られるコンプリートレアカードなる存在を作る形式のこと。10枚ガチャでカードを買ったら、レアカードが1枚くらい出る確率だとして、では100枚買えば10枚のコンプリートになるかというと、レアカードもダブります。ダブリカードばかり増えて、最後の一枚が出てこない・・・でもあと1枚だし・・・→超絶課金地獄
あまりにその仕様が酷いということでクレームの嵐が巻き起こり、指導がはいりまして、GREE、モバゲ等の有名どころは、このコンプガチャを全面廃止せざるえない状況になり、事実上消えました)
日本のソシャゲを支える最大の商品とはなにか?
それは無課金ユーザーにほかならない。無課金ユーザーは、ゲーム提供側からしてみると商品の一部です。
ドーパミンを排出させるためには、全員が全員凄まじく強いという仕様では成り立たないわけです。
課金した人がドーパミンを出せるようにしてあげなければいけません。
その為には、社会的弱者を用意する必要があります。
この社会的弱者がいるおかげで、課金ユーザーが誕生するのです。
昔のゲームは単純で、月額2,000円とかのスタイルでは、時間をかけた分だけ強くなるというものでした。つまり、ゲームのコンテンツが面白ければ良い、というものです。
それがうつりかわり、例えばアイテムを多くもてるようになる課金や、早く走れる為の騎乗アイテム課金、時間を待たずとも直ぐに次の行動がとれる時間短縮課金など、あえてストレスを与えてそれを解消する「便利」に対して課金するという仕組みが作られました。
しかし昨今のソシャゲは違います。
あくまでも社会的なバーチャルコミュニティを形成し、その中で社会的弱者を作り、そこから脱却させるために課金させるのです。
これまでのゲームのような
「ゲームを楽しむための課金」
「ゲームそのものが楽しいから遊び代としての課金」
「パチンコのように自分自身だけのドーパミンを楽しむ為の課金」
とは少し毛色が違うわけですね。
つまりソシャゲの最大の魅力の一部が、無課金ユーザーというわけです。
ただし無課金無課金いっても、お金かけずに遊んだらただのクソゲーでは意味がありません。時間をかけてじっくりやると課金ユーザーのそれと変わることのない遊びが出来る絶妙な采配も見所の一つですね。
そんなわけで
皆さんにとってはどのようなゲームが最高のモノなのかは人それぞれです。
バイオハザードシリーズのように、しっかりとしたコンテンツを遊び倒すのが好きな人もいれば、MMORPGのようにオンラインゲームを楽しみたい人もいるでしょう。
勿論無課金でもソシャゲは時間つぶしに使えるからやってる人もいるでしょうし、課金して遊んでいる人もいるでしょう。
みんなどこにどんなお金使おうが、私の知ったことでは無いですが、作成する側の視点でゲームを客観的に見てみるのも大切なことです。特にこれからソシャゲを作る人は、人がドーパミンを出す人体の仕組みくらいは勉強する必要がありますよね。
ちなみに今回ご紹介したFINAL FANTASYブリゲイドはこちら(音が出るぞ!)
FINAL FANTASY BRIGADE - モバゲー(Mobage) by DeNA
ちなみに記事中で紹介した、「ラムウ出たって・・・」という二人の秘密はここからはじまる。
おまけ
ゲームあんまりしないんですけど、ゲーム実況が好きで暇な時聞き流しているんですが、ニコニコ動画でやっている宮助という人の動画が大好きです。漢字読めない感じのアホっぷりなんですけど、たまに腹抱えて笑う時があります。
最新作がこちら。腹抱えて笑いました。
(1)良い声目指して オペレーターズサイド 実況プレイ ‐ ニコニコ動画(原宿)
こういうゲームを心底楽しんでる姿は見ていて気持ちいなぁと。
全然関係ない話ですけどね。
それでは、また。
追記
GREEでの面接ツイートを削除いたしました。本当かどうかもわからないものであるのと、今回の記事に必要ないものだったためです。
面接時に、当社のゲームをやったことがありますか?→みんなやっていない→当然ですよね、高学歴の人はやりません、というツイートです。