なぜ『Gunosy(グノシー)』は炎上したのか?同じ状況になったらどうするべきか?
2013年05月07日 公開

さて今日も元気にはてなブックマークでも見ようかねとおもって開いたら、はてなITカテゴリで『Gunosy』という単語が46個もあるじゃないですか!多すぎて震えてます。
ここまでくると完全に燃焼してますよね。一体何があったのか、どこで、どのタイミングで炎上したのかしらと、朝から気になり始めて、性格的に気になったら止まらなくなるので、なぜ炎上したのかを考えてみようかと。
また、同じ状況になった時、どうしたら良かったのかも考えてみましょう。
ホットパンツ画像は一つもこなかった
先日、Webライダーの代表である松尾さんと、しっぽりと串焼きを食べながら教えていただいたiPhoneアプリがGunosyでした。使ってみると入ってくる情報はかなりはてな村にマッチしている情報が多く、個人的には面白いなぁと感じ使っていました。
で、Gunosyってなあに?っていうことなんですが、Twitter、Facebook、はてなブックマークIDを登録しておくと、そこで私が発言したり、お気に入りに追加した情報を元に、私にあった記事を選んでご紹介してくれるというものです。
私が登録したのはTwitterでした。
当然私は期待を膨らませていました。
私のTwitterを解析したなら、きっと私の大好きなホットパンツ等の画像記事を盛大に集めてくれて、朝の憂鬱な気分をバコーンと吹き飛ばしてくれるに違いないと。
しかし送られて来たのは、全くそんな事はなくて、前日はてなである程度話題になった、Web系の情報紙でした。
まぁしょうがないか。こんなもんだろうなと思いつつ、別に何も感じること無く利用していました。
ところがよく聞くと、ホリエモンがさらっとお勧めしたそうで、その影響によって、Gunosyに注目が集まります。
今回は、そこにきて、Gunosyはユーザーの情報などあまり見ておらず、情報を選んで配信してるわけじゃなくて、はてなブックマークAPIを利用して、ちょっと加工して配信してるだけだ!!!という人が現れて、さらに注目を集める結果となったのです。
出る杭は杭が破壊するまで叩かれるのがネット
ネットは昔から突然注目が集まったもの=その時多くの人の関心がそこに向かっているという証です。そこに関心を寄せている多くの人達を、こちら側に振り向かせる最良の一手として粗探しと叩き行為があります。
出る杭は打たれるという見方もありますが、どちらかというと、せっかくこれから成熟して、大きな桜を咲かせる準備ができた巨木を、四方八方から木こり達がやってきて、枝からなにから全部切り取り、さらには根本からひっくり返そうとする輩が大量にいるのがネットですよね。
例えばこの機能が凄くやだとか、こういうところが嫌いとか、こういうある意味ではクレーム的な意見というのは、まさに枝を切って、来年はもう少し良い格好で生えてくるんだぞという愛を感じられます。しかし、根底から「ここがこうだからこれはクズです。代替え案はありませんので消えてください」というように、何の生産性も生み出さないような批判も大量に生まれるわけです。
今回の流れとは別の話になりますが、注目された物があると、ネットでの反応は以下のようになります。
(1)改善案のクレームの殺到
(2)代替え案のない完全な否定を流布する輩の発生
(3)激似サービスの開発
(4)改良品種サービスの開発
(5)根っこから存在そのものを物理的に消しにかかる輩(DoS攻撃や殺人や襲撃)
(6)上記の事をまとめたり、流れを整理して流布する
サービス提供側として対応するべきものは(1)と(5)です。
基本的に注目を浴びると、一種の炎上に近い状態になりますが、それはまだ炎上ではありませんので、ドンと構えていれば良いのです。
しかしここで、(2)に対して射撃を行うことが完全な炎上に繋がります。
なぜでしょうか?
意見と批判がわからない
サービス提供側からしてみると、これは意見で、これは批判と分別がつくことが多いのですが、意見や批判している人達というのは、自分たちがどっちなのかを考える必要はありません。
あくまでもひとつのサービスに対して物申しているだけにすぎないのです。
そこにきて、(2)に対して痛烈な批判を行うと、(2)だけが憤怒するのではなく、(1)すらも憤怒します。
これが炎上です。
で、Gunosyはこれをやってしまった、というのが炎上の最大の理由ではないでしょうか。
Gunosy blog - ここ最近のGunosy関連の批判についての所感
批判を「批判」とサービス提供側が言い放ったら終わりじゃないですか。
これは(2)の人たちは構ってくれたと喜び(1)の人達が憤怒する恒例のパターンです。
ではもし同じ状況になったらどうしたらよい?
まずは批判と分別されたものには触らない事が大切です。
ネットでは得体のしれない世論が相手になりますので、それらを個別に対応することは不可能です。
私を含めて、彼らはそれぞれ自分たちが考える最善の正義を持っています。
それは千差万別であり、批判もその最たるものに過ぎません。
あなたのサービスを絶賛する人もいれば、猛烈に嫌悪する人も居るのです。
批判する人だけを対応することは、絶賛している人を無視しているのと大差はないのです。
たとえば10の批判があって、7つの批判に対して対応すると、のこった3つの批判をしたユーザーからしてみるとえこひいきにも見えるうえ、さらに憎悪を抱くことになりかねません。
でも、それでも反論したい。
もしその思いを通すならば、個別な対応ではなく、以下のように、自分たちはこうですとはっきりしと示すのが吉です。
・ここはこういう仕様です
・これを変えることは出来ません
・ここはこれからも改善を行います
今回の件でいえは、はてぶだけを使っているのではなく、こういうものもアルゴリズムに取り入れていますと、はっきり示すだけで良いです。注目を浴びた時、一定の声が上がるのは自然なことであり、そこをさり気なく聞き入れ、静かに改善していくことが、よりよいサービスになっていくのかと思います。
ほんとうの所、Gunosyってどうなの?
で、結局どうなの?
Gunosy
個人的には中々いいなと思ってますが、一本記事にする程のクオリティとは思ってはいません。
スマホで確認した時に、ツイートしようとするとまさか一度Gunosyに飛ばされてリダイレクトされる上に、ツイートにGunosyのURLまで貼られる仕様だけは、まったくもって使えない為、現状の所Web版しかお勧めできませぬ。
さて、あなたにとってGunosyuはどうでしょうかね?
良ければ使い続け、嫌ならやめればいい。
多くのサービスや、アプリは殆どが何も言われず、なんのフィードバックもないまま終焉を迎えます。
そういうサービスからしてみると、例え批判の声で広がったにしろ、羨ましい限りですよね。
そうそう、もしもこのGunosyuが、有料アプリだったらどうなっていたでしょうか?
恐らく、全く炎上はしなかったのでしょうね。これはまた別の話ですけど。
それでは、また。