Googleハングアウトセミナーを行って学んだいくつかの事
2013年10月23日 公開

先日、KDDI ウェブコミュニケーションズさんの社内向けブログセミナーを急遽ご依頼され、Googleハングアウトを利用したブログマーケティングセミナーを行いました。
当初「普通のセミナーとあまり変わらないだろう」とか、「むしろ全てのしゃべる内容を暗記する必要がないので、セミナーより楽だろう」と考えていました。
甘かったです。
今回はこうしたネットセミナーについての感想と、もしもこれからやる予定のある人にむけた傾向と対策を共有したいと思います。
事の経緯

私自身、人前でしゃべる機会が多いとまでは行きませんが、21くらいから講習販売などの仕事にもついてきたため、わりと場数は踏んでいる方だと思っています。
実際にブロガーになってからも、マーケティング、ブロガー向け、アフィリエイター向けのセミナーも行ってきました。
KDDIウェブコミュニケーションズの高畑さん(現副社長)とは、札幌で行われたCSS Niteにて、おなじスピーカーとして参加させて頂いた時に、前日親睦会で初めてお会いしました。
CSS Nite札幌の最後の締めのスピーカーとしても、その講演は多くの方から信頼されているとの事で楽しみにしていたのですが、予想を遥かに上回るほどの講演っぷりに、世の中にはすごい人はいっぱいいるんだな・・・と思っていました。
また、ひょんな事から話が進み、福岡でのマーケティングセミナーもご一緒することに。
マーケティングセミナーを行った翌日に、全く別のリンクシェア主催のアフィリエイトセミナーでもお話させていただいたのですが、2日連続で内容の違う話しをするのは、ちょっと無理があったなと当時を振り返ると反省しております。
高畑さんからは、この福岡セミナーで私がお話させてもらった、単純にアクセスを5倍にする方法から、その先をどのように考えていく必要があるのかをテーマにしたマーケティングのお話を、KDDIウェブコミュニケーションズ社内向けに修正を加え、お話してほしいとのご依頼が。
つまり、基本は福岡でのお話を土台としたものがベースとなっているという前提条件とまります。
ちなみに終了後、高畑さんが書かれた記事がこちら。
セミナーを通じて伝えたかったもの
通常セミナーで行う事前準備

福岡でのセミナーは50分でした。これに肉付けをして60分の時間を頂きました。
私は全てのセミナーにおいて、かならず原稿をEvernoteに書きます。
よくスライドから作る人もみかけますが、私の場合、スライドから作成すると、ストーリー性を失い、話しを引き込む場面や、飽きがきそうな場面を想像することができなくなり、終始面白い話にすることが出来ません。
なので、原稿作成は、どの作業よりも、真っ先に行う作業です。
次に原稿ができたら、各章ごとに時間を測っていきます。
各章で細かく時間を分けることで、ある程度時間コントロールを行うことができます。もっと肉付けしたいところに時間を増やしたければ、他を削除したりといった具合ですね。
最後にスライドの作成。
といっても私のスライドは、私がしゃべる内容を思い出す為の僅かなキーワードくらいしか書きません。
セミナーとして、これを実践すれば成果が出る、という具合案に関してはスライド化しますが、何故それが必要なのか、どうして理解する必要があるのかという部分に付いては、私の言葉以外全てが邪魔なので、極力削除します。
こうして出来上がったスライドを元にリハーサルを行い、時間を測り完成となります。
通常のセミナーであれば、この作業が発生しますが、今回のハングアウトセミナーに関しては既に時間まで測り終わっている原稿とスライドがありますので、ほとんど苦労することはありませんでした。
何よりも、ほぼ暗記する必要がありません。理由は単純でして、GoogleハングアウトならPCモニターを見つつしゃべる事も可能で、Evernoteを立ち上げたまましゃべることも出来ます。また、しゃべるときはスライドを流す可能性も考慮すると、こちらが原稿を見ながらしゃべることも簡単ですよね。
まさに順調でした。準備までは。
ハングアウト、人数オーバー

実は当初、ブログを担当する3~5人程度を予定していました。その為、Googleハングアウトでお互いの顔を見つつ、お話が出来る。そう考えていました。
ところが予定日が近づくにつれ、一人、二人と増えていき、最終的には15名程に。
その結果、Googleハングアウトの同時接続人数は10人のため、一人ひとりと繋げるのではなく、一箇所に集まっていただき、そこを中継する形に。また、東京だけではなく、他の地域の方の参加もありましたので、地域ごとに分けて接続といった形にする事になりました。
当初は、一人ひとりPCの前で映像を見てもらえるなら、ノートに色々と書きながら更にわかりやすく説明できるかも・・・といったハングアウトならではの事も、試験的に試してみたいという思いがあって、色々と考えてはいました。
相手の表情などを取得できない

さて、いよいよ当日となり、接続。
開始後、こちらのデスクトップ画像を向こうに流します。
考えてればわかることでしたが、こちらの現状のデスクトップ画像を流すため、用意したスライドを表示していると、こちらからは、向こうの映像を見ることは出来ません。
映像が見れないということは、もはやそれはUstreamの生配信とあまり変わりません。
ただ、会議室に集まっていただいて、一台のPCを皆さんで見ていただくスタイルとなると、やはり画面が小さい、もしくは、スクリーンに写した場合は見難いと考えました。ためノートに書きながら説明はきついと思い、いつもどおりのセミナーを行いました。
また、当初3~5人であれば、質問を受けながら進行しようと考えていましたので、多少時間には枠をもうけていましたが、さすがに15人ともなると、質問を受けていると終わらなそうなので、質疑応答は最後に一括という形にしてもらいました。
これらのことから、スライドを表示したままお話するということは、しゃべりよりも、スライドのほうがかなり重要な要素を占めていることがわかります。視覚的映像をサポートするナビゲーションといったところでしょうか。
逆に考えると、私がいつも用意しているような、ほとんど目立つことのないスライドを使う場合、政治屋の出馬表明の映像のように、スライドなど一切無くし、私だけを写していたほうが、今回はもっと伝わったとも思います。
しっかりとしたユニークなスライド、もしくはスライドを全て無くす、という観点から準備が出来ていませんでしたので、このへんはすごく反省するところであります。
こうして全ての進行が終わり、質疑応答も無事終了。
さて、実際に行ってみて、私にとって、セミナーとはなんなのかという部分で多いに学ぶべきところがありました。
「私が皆さんに会いたかったんだ」
何を言っているかわからないかもしれませんが、私がセミナーを通じてお話したいこと、伝えたいことというのは、やはりブログでは伝わらないことだと思っています。
だって、ブロガーですし。
ブログで伝わるならブログで、無料で伝えますよね。ブロガーですし。
でもセミナーを通じて伝えたい事は、その場に来てくださった方と、私の思いを完全にリンクさせることに意識を集中しています。
その時、なぜわざわざ皆さんを呼んで、そこで話さなければならないのかという点において、私は大きく勘違いしていたことに気が付きました。
「会って話せば、私の思いは伝わる」というのは勘違いで、私はセミナー時、みなさんの反応、主に顔の表情、動作、頷き、笑顔、面白くなさそうな顔、わからなくて困ってそうな顔、集中力などを見て、その雰囲気に可能な限り合わせて、色々な事をしていました。
恐らく、慣れてきてしまい、無意識にやっていることなのかもしれません。
身振り手振り、こちらを見てほしい方に視点を合わせて手を差し伸べたり、あえてうなずいたり、飽きが来てるところで、一呼吸いれたり、横道の小ネタを入れてみたり。
つまり、可能な限り私を思いをリンクするために、まず私自身を会場にいる方々に合わせる必要があるという本質があって、初めてセミナーの意味が生まれると言えます。
言い換えると、私、もしくは私達のセミナーを必要として来てくださった、と言うのはかなりの勘違い野郎で、私、もしくは私達が、一つの想いを伝えるために皆さんを必要としてる、という初心に気付かされたわけです。
今回、ハングアウトセミナーを行ってみて、向こうの様子が全く見れない中、お話させていただきました。
その結果、かなり焦りがありました。
なんせ、相手の様子がわからないため、今までのように、視聴者とリンクすることが出来ないからです。これでは、きちんと伝えることが出来たのかどうかもわからず、かなり怖い1時間となりました。
セミナー終了後に、ご依頼主である高畑さんから、チームメンバーの方の評価は高かったとお伺いしましたが、私の中で自分に点数をつけるとすれば、「通常のスライドではなく、ハングアウト用のスライドが必要だった」という前述の反省点も踏まえ、合格点ギリギリ、もしくはそれ以下だったのではないかと反省しております。
これらを踏まえ、ネットでセミナーを行う場合には、それなりに必要なノウハウがあるなと実感しました。
次にこのような機会があれば、相手の胸にガツンと響くようなリベンジを行いたいと思います。
また、今回の事を経て、オフラインのセミナーにもいくつかの課題が見つかりました。今後はさらによりよいものにしていきたいと思います。
CM
そんなわけでして、社内向けブロガー育成セミナー、マーケティングセミナー等、うちの会社でもやりたいという方がいらっしゃいましたら、いつでもご連絡お待ちしております。
それでは、また。