30億ドルの価値を持つモンスターアプリ「Snapchat」の光と影
2013年12月23日 公開
もう色々と心配されているアプリ「Snapchat」ですが、日本でも小中高とやり始めている人がいると聞きます。
なぜこれほどまでログが消えるサービスが人気となっていったのでしょうか。
今回はとりあえずWeb業界にいる人なら知らない人はもういないでしょ?っていうアプリが抱える光と闇をご紹介致します。
その価値、30億ドル
写真共有アプリSnapshot。
2012年5月の段階で、1秒間に25枚の画像がやりとりされるアプリとして、小さな話題を起こしていました。
計算すると一日216万枚です。
これが2013年11月、若者を中心に1日4億枚という写真のやりとりが行われるようになりました。
1日4億枚というのはFacebookでの写真のやりとり枚数を超えたと言われており、Facebookは30億ドルでの買収を提示。
しかしこれをあっさりと断った上、今月、Facebook幹部であり、Instagramの広告表示を担当するEmily White氏を引き抜きしちゃったわけです。
今まさに波に乗っているモンスターアプリ、それがSnapshotです。
それは10秒以内に消える
リアルでは、全ての体験が共有できます。
山に登った。その記憶を色あせないものにするために写真をパチリ。
撮った写真を共有。
これらは至って当たり前の風景です。
しかし、もしこの体験を一緒にしていない人に見せるとき、Facebook、Twitterとなれば、ログとして残ります。
特に海外ではこうしたログに関する考え方が、日本より進んでいる印象です。
日本ではログが残る残らない関係なく、コンビニのアイスを販売しているボックスにねっころがった写真をとってさらにアップし、お店から膨大な請求をされたり、ホテルのアルバイトが、有名人がお忍びで泊まりに来ている事をツイートしてしまったり、当て逃げしたことを自慢気にツイートしたりという状況。
また、LINEでもそうですが、集団でいじめている動画をグループで共有したりします。実際はそれがログとして残り、そのグループの一人が通報、発覚という事件もありましたよね。
でも、時として、若者は間違うことがあると思います。
私も過ちを犯していないかといわれれば、まぁ、ノーと答えるでしょう。しかし、ログとしてのこったり、拡散し、炎上することで、後戻りしにくくなるのがネットです。
そんな若者の間で爆発的に使われるようになったのがSnapchatというわけです。

Snapchatは、その性質上、ログを残さない設計となっています。1~10秒で指定した時間で消える画像を送信することができます。
さらに画像を見るときは、画像をタッチしていなければならない。
送られてきた画像を、スクリーンショットも出来ず、しようとすると、送信者にも知らせる設計となっている。
その時の楽しさを、ログのことなど考えずに気軽に送ることが出来る。
それがこのアプリの最大の特徴です。
それはプライベート空間ではありません
例えば私が、あなたに画像を送り、数秒で消える。スクリーンキャプチャーもとれない。
だからそこはプライベートな空間であると錯覚するのはしょうがないでしょう。
しかしそうではありません。
海外でもかなり問題となっているようで、
「あなた、Snapchatで人生台無しにするきですかー?」という記事が大量にあります。
The Snapchat Feature That Will Ruin Your Life
Sexting on Snapchat Isn't as Safe as You Think
Is Snapchat Ruining People's Lives? | VICE United Kingdom
そう、その時を楽しめて、さらにちょっとしたチラ見せなんかも出来る。
こうした割りとディープな画像のやりとりが横行しているのです。
セキュリティに守られている、すぐ写真は消えているという幻想から、かなりいろんな写真がやりとりされているのですが、これらが守られている保証は全くありません。むしろ、Androidアプリには、Snapchatアプリの、スクリーンキャプチャーをするためのアプリなんかも出てたりします。
実際にGoogleで特定のキーワードを検索すれば10秒で消えるはずの画像が、消えずにネットに晒されています。

こうした部分も含めて、日本ではどのように広がっていくのかと考えると、完全に嫌な予感しかしません。
だからといって、規制するのもナンセンスです。
また、つい3日前、日本でも同じようなアプリが、モバゲーでお馴染みのDeNAがSnapChatライクなスマホ向け画像メッセンジャー「5sec snaps」を公開しました。
もしかすると日本ではこっちが来るかもしれませんね。
ネットに公開していい事、もっと教えていくべき
多分、学校でやんなきゃダメじゃないかなって。
このブログでももう2007年から免許制したほうがいいとか訳の分からない事を叫んでいるんですけどね。
でも損するのって、結局若者ばっかりじゃないですか。
実際のところ、これって大人の責任じゃないのかなって思うわけですよ。
知らなかったという点で言えば、Snapshotは若者だけじゃなくて、おじさんとかの色々やばい画像も流出していました。
というわけで、これからもしかするとSnapshotやDeNAの5sec snapsとか、それに類似するサービスが来るかもしれませんが、それはプライベート画像ではないっていう事をきっちり頭にいれて楽しんでいただければと思います。
あ、悪いだけじゃないよ
悪いことばっかり書いた気もしないではないですが、そういうディープな画像じゃなければ、普通にFacebookや、Twitterにアップするよりも、はるかに画像を共有しやすいのは間違いありません。そこには、間違いなく他にはない楽しさがあるでしょう。
実際、画像をアップする前に、変に気構えてしまう事もなくなります。そういう意味では、そのとき、その一瞬を、本当に気軽に共有するこのアプリは、すごく良いですし、それだけ大量にやりとりされるだけの魅力があります。
なんでも、やり過ぎるなってことですよね。人生台無しにしないために!
それでは、また。