プレゼンにおける「右肩あがりグラフ」に人はどうしても惹きつけられてしまい、話を聞いてしまう
2015年03月31日 公開

こちらのグラフを御覧ください。
もはや定番という技ですが、実際に右肩上がりグラフには妖精が住んでいまして、これを見せるだけで、なぜか人間は右肩上がりのグラフに好意を寄せ、惹きつけられてしまうのです。
左下がりはそもそも用意する必要はない
次の成績を見てもらいたい。

これを単純にグラフにすると以下のようになる。

しかし、実際にこんな右下がりのグラフをみても、人間というのはあまり反応してくれない。
本当は失敗体験談のほうが圧倒的に役に立つ事が聞けるんだけど、人間はそれでも尚、成功体験がどこかにないと、人の話を聞こうとしない。
つまり、何があってもとりあえず右上がりのものを用意する必要がある。
逆に言えば、下がっているだけのグラフなど捨てた方がいいし、下がっても、最後に上がってきているなら有効という事も言える。
上がっている部分を分析して割り出す
そこで、1契約あたりの単価と、販売員一人頭の売上単価を割り出すと・・・。

1人あたりの売上は6月で減少しているが、右肩上がりではある。
さらに1契約売上単価は、確実に右肩上がりであることがわかる。
この場合、はやり1契約売上単価を全面に押し出してグラフ化するればいい。
実際は売上もダウンし、契約数も落ち込み、販売員のリストラという改革をしているが、謎の右肩上がりグラフが完成すると、人はそこに成功体験があるんじゃないかという概念を無意識に感じてしまうことになる。

これは、インターネットの世界だとよく使われている方法で、例えばPVが右肩の時はPVを全面に押し出し、PVが下がってきても、広告単価が上がっていたり、クリック単価が上がるといった傾向があります。
売上自体下がっているけど、クリック単価は上がるというのは、PVが下がると大体発生する現象ですが、それでもなんだか右肩上がりグラフを見ると、「おおぉぉ・・・」となってしまうんですね。不思議と。
そんなわけで、今度グラフを作るときは、どこかに右肩上がりの数字を見つけて、それを利用してみると、謎の説得力が発揮できると思います。
お試しあれ。
それでは、また。