天才とつけられたもん負け、天才とつけたもん勝ち。それがウェブメディアの真理だったりする
2018年06月06日 公開

日本人という生き物は、「天才」とつくととにかくかみつきたくなるようにDNAの奥底にインプットされているのではないかと思うんだけど、毎日ネットみていると、天才とつけたもん勝ちしているシーンは本当によく見かける。
そして天才とつけられたもんが全然関係のないところでかってにディスられる。
そしてこうした構図を生み出しているのはほかでもない、皆さんだ。
もう少し自分の頭で考えてみてほしいと思います。
天才とつけたもん勝ち
Youtubeの動画を例にとってみよう。
あくまでYoutubeは一例であって、本当にいろんなサービスでこの現象が起きているのに注意してほしい。
一人のパフォーマー動画があるとする。
ここでは私がすきな中国のドラムパフォーマー羅小白を紹介します。
何が好きかっていうと楽しそうっていうのが一番の理由で見てると楽しくなる。で、2番目がホットパンツが似合うというそんな単純な話だ。
コメント欄をみても気持ちがいい。
Google chromeをつかっているなら右クリックして日本語に翻訳すれば、彼らがいかに建設的で、彼女にエールを送っているかがよくわかるよ。
ところがですね。
これは海外でも多いので日本人特有ではないのだが、小銭欲しさに動画を勝手にコピーして配信するわけですよ。
その時に、アホの一つ覚えのように「天才」とつけるのだ。
この「天才」というキーワードこそが撒き餌であるにも関わらず、楽しそうにパフォーマーを楽しんでいるだけの彼女に、さらにネットの底辺にいるリテラシーの低い軍団が餌を食べに集まってくるという現象が起こる。
「リズム感がおかしいので天才と名乗るな」
「よくこれで天才といえるな」
「天才?」
「かわいいから許されてるだけ」
こんな日本語のコメントが沸いて出る。
そもそもこの動画ではグラサン外してないのに、可愛さを語り始めるバカまでわいてきてしまうんですよ。
※ほとんどの動画はグラサンしてないので気になる人がいたら羅小白で検索するよろし。
それが天才というキーワードのもつ魔力で、コメントがふえてくると、今度は閲覧数もそれに比例するような仕組みになっていて、
Youtubeの関連動画に出る可能性も高まり、得をするのは誰かというと、コピーした奴だ。
天才とつけられたもん負け
天才と名付けてコピー動画を配信しても、そのことに対してなにも考えずに、多くの人はこの動画に映っている人の人格やスキル、パフォーマンスに対して否定的なコメントを付け始める。
そうするとこの一連のやりとりで一番悪口をかかれて批判され、被害をこうむるのはパフォーマーだが、お小遣い欲しさにコピーしたアホのために、せっせとコメントをつけて閲覧数を増やす人は後を絶たない。
もちろん批判されることに何とも思わない人もたくさんいるし、彼女が本物であれば、どんなに批判的なコメントがついていようと、ファンになる人だっているわけで、これらの現象すべてが悪とはいわない。
言わないが、いい加減動画見るほうも少しは考えてみてほしいなと思うところです。
ちなみにもっと踏み込んでしまうと、彼女がたたく音楽の中には日本の曲もありまして、じゃぁその著作権はどうなってるのかというところまでくと、より深く考えることができるのではないかと思います。
ほかにも、前田敦子のファンによるファンのためのチャネル(仮)のようなチャンネル死ぬほどあって、前田敦子好きが死ぬほどそれらの動画を見てせっせとコメントをつけているが、単なる著作権侵害野郎にお小遣いを分け与え、本来利益が出なければならない前田敦子側から利益を奪っていることになってたりもする。
うちの娘もそうだが、iPadが家にあれば動画はすぐそこにあるもので、すぐに無料で見れるものという認識が強い。
しかしながら、結局クリエイター側、天才と勝手につけられた側のほうが不利益になり、コピーしたもん勝ちの状況を作ってしまっているということを、今一度考えてもらいたいなと思った次第です。
とりあえず、ホットパンツは正義だとおもうけどね。
それでは、また。