スマホ端末を別の端末で操作、閲覧できるアプリに初の作成罪が認められる
2019年04月18日 公開

つい先日、アンドロイドアナライザーの公判で、作成罪が認められました。個人的に気になってた公判でして。
これまで、アンドロイドアナライザーのような機能をもつアプリに関しては、無断インストールによって供用罪で有罪となることが、過去にもカレログなどのアプリで存在しました。しかし、今回注目を集めた理由は、作成罪が認められるかどうかと言う部分でした。
もう少しこれらの背景から説明すると、そもそもカレログ、アンドロイドアナライザーは、スマホの特定の情報を、外部に送信する機能を持ったアプリでした。ちなみにアンドロイド版もiOS版もあった。
作成側としてはこれを入れる事で、例えば落とした時にPCから、場所を簡単に調べたり、端末に届いたLINEのメッセージなどを、遠隔で確認する事ができるようにる、あくまでも自分の端末に自分の利便性向上のためのツールとして販売していたもの、と言う事です。
しかし、使い方によっては個人のプライバシーを著しく侵害する恐れがある物を平然と販売して良い物なのかと言うことで、関心を集めていたわけです。
全て同意を得た上での販売で有罪判決
今回、販売においては、全て利用者に悪用はしないことを承諾させ、第三者のプライバシーを侵害しない使い方に同意した上で購入させていた。
実際に2016年11月25日までに、15道府県警がアンドロイドアナライザー利用者3人逮捕、10人を書類送検しており、利用者側の責任において使い方を間違えば犯罪になる、という形で販売していたわけです。
つまり、アンドロイドアナライザーは、どのような機能を備えているかは隠さず説明されているし、利用規約で合意のないインストールは禁止していたのだから、不正指令に該当しないと主張であった。しかし、判決は不正指令電磁的記録の作成であるとなった。
実はこの一番の根拠となったのは、作成会社のメールや会議資料でした。
この中で個人的に「なるほど」と感じたのは、ステルスマーケティングにカモフラージュした販促を促すブログの存在でした。
そもそも販売側は他人のプライバシーを侵害しないことが大前提で売っているので、このツールを使えば、こっそりLINEの内容を見れて浮気調査も簡単なんていう提案はグレーを通り越してブラックです。
そこで登場したのがステマブログです。
アンドロイドアナライザーのものかどうかは不明だが、「浮気調査アプリランキング」のブログで上位にアンドロイドアナライザーがいたり、「LINEを監視するツール」でググられるように作られたブログ記事、で、内容は販売業者が言ったらアウトな内容。例えば夫の浮気調査にこれを使えば・・・とかね。こういうのは他人がいうからセーフなのであって、販売側が言ったらおしまいなわけですよ。
それが今回、社内でのやり取りメールによって判明し証拠となった。なおかつ、会社側もそれを認めていたと取れるやりとりがあったとのことでした。
結局これが決め手となり、有罪判決となった。(これは別件で偽計業務妨害罪幇助も付いている)
で、「それ系」のアプリ紹介記事。
今ググっても、死ぬほど出てきますよね。

今頃他の販売業者は証拠を削除している頃でしょうか。
一連の流れを知り合いからスカイプで聞いたのですが、他に一緒に聞いていた人から、つまりどういうこと?って聞かれたのでもっと簡単に書いておきます。
1)遠隔のネットビデオカメラっぽいもの作りました
↓
2)自宅のペットや赤ちゃんをネットで見れます。くれぐれも盗撮や第三者のプライバシーを侵害してはいけません(説明書)
↓
3)口コミ風を装って
「これを夫の部屋に隠しておけば浮気調査できます」
「これで彼女の浮気がわかりました」
というような記事を書いて販売業者がステマした
↓
4)完全に故意、意図してるじゃん→作成罪成立
となったわけです。
今までは、利用者の責任で、利用者が有罪となっていましたが、作成者が有罪になったのは初ということですかね。
これ系のちょっとしたステマ、よくやってる業者見かけるので、もしかしたら一斉に検挙されるかもしれませんね。悪い事はできないって事です。
それでは、また。