Clubhouseに思うこと。あるいはそういう場で簡単に人に騙されない為の見分け方。
2021年02月08日 公開

昔、さんざん物を売るという営業をしていて、今更そんなことをいうのかと思われるかもしれないんですけど、最近話題のClubhouseについて思うことを脊髄反射的に書きます。
これだけ文明が発達した今でも、最も強力な伝達ツールは人の声です。
人の声というツールは先進的で、使い方によっては恐ろしい力を持っています。人は声だけで、ころっと騙されることもあります。そんな声の力で、現在ネット上に様々存在する「悪意のある合法的な集金システム」へ誘導する人はたくさん見かけます。今回はそんな悪意ある集金システムへ誘われないための、簡単な見分け方をこっそり教えたいと思います。
相手の感情を最も動かすツールである
人は感情なくして行動を起こしづらい生き物です。
人が行動するとき、必ず何かしらの感情が動いているわけです。
例えば「朝4時に起きて活動した方がいい」という良い情報を得たとして、それだけで行動にうつせるほど人間はうまくできていません。
他にも「人間はある程度痩せている方が健康によい」という誰だって知っている事がありますが、だからと言って全員それに向かって努力できるかというとそういうわけにはいきません。
これらの人間の行動には必ず一定の感情の揺れが必要になります。
感情の揺れが起きて初めて努力をしやすくなるわけです。朝4時に起きて活動した方がいいという情報よりも、この場合、「自分にとって影響のある人物がこう言っていたから」とか、「尊敬する人が4時に起きて人生が好転したから」とか、大抵このような理由が背景に存在します。
そして最も影響を受けるるのは「声」であるという事です。
もちろん悪事にも最も使われます。相手の姿がなくとも電話だけで意のままにコントロールされ、多額のお金を振り込んでしまうのも、「声」というツールがいかに強力なツールであるかを物語っています。
声をさらに強化する方法
Clubhouseの特徴はいくつかありますが、大きく分けて二つあります。
それは、聴くことができるツールであるということ。
もう一つは話すことができるツールであることです。
Youtubeや多くのLiveツールは、基本的に聴くツールです。
ライブ動画ではせいぜいチャットを送るのが関の山です。
ところがClubhouseは対話できます。
私もTwitterで今までリプライだけを送り合っていた人と、直接会話をすることが楽しいと感じましたし、著名人の話を聴くのが楽しいと感じました。
そうです。このツールは、この著名人と対話できるのです。
初めに書いた通り、相手の感情を動かすのは「声」であるというのは間違いありません。しかし、これをより強力にするのが「聴く」ことなんです。
営業時代にグングン売り上げが伸びていった私が行っていたことは、ベラベラと話すことはではなく、聴くことに力を入れていました。多くのトップセールスだって、一方的に話す人はまずいません。「営業とは、徹底的に相手に話をさせること」であるというのは、もはやいうまでもなく常識になってきていると思います。
それだけに相手から情報を引き出し、その情報をもとにクロージングできるという点において、Clubhouseは結構やばいツールなわけです。相手はさらに著名人ともなれば、まだ世間の荒波に飲まれていない学生などは一瞬にして心をもっていかれることでしょう。
感情を揺さぶられ、本来であれば起こさないような行動に出る可能性が高まるわけです。
ではどうやって見分けるか
感情が動いてしまうと、例えば大学の入試を受ける日に○○さんのイベントがあるし、そっちに力を入れて人生を変えたい!といって、大学に行かないという選択をする人もいますし、あるサロンに入会した人が、大学を中退して、全く売り上げも立たない、なぜか借金してまでお布施をするフリーランスになった人もいました。
もちろん、これらを悪いと一括りにすることはできません。
それで成功する人だっているわけで、善悪の判断はかなり難しいところです。
だからこそです。だからこそ見分ける力が必要なんです。
残念なことに「悪意のある合法的な集金システム」というのは確実に存在します。それは有名な人だからとか、芸能人だからとか、フォロワーが多いからとか、テレビに出てるからとか、本を書いているからとか全く関係ありません。むしろガッツリと搾取できる集金システムを考えた人は、フォロワーも多いし、本も書くし、動画も作るし、メディアにも出ます。
彼らにそそのかされ、人生を台無しにしないための、めちゃくちゃ簡単に見分ける方法。
それは「人の名前だけが有名で、その人が売っているサービス名や商品、会社名が全くの無名の場合は危ないかも」です。この法則通りの人物の場合、ほとんどがこの悪意ある集金システムを生み出していると決めつけても差し支えないです。
Clubhouseはそういう意味でいくと、多少の影響力を武器に、声と対話で最も効率的に信者を作りやすいシステムでもあります。すでにそういう声の力を武器に悪意ある集金システムを運用している人たちが、めちゃくちゃ参入してきています。多分そういうツールだとすぐに理解したんだと思います。
新しいツールはどんどん使って欲しいという気持ちは変わりませんが、上記の見分け方をしっかりとおさえて、是非とも気をつけながら楽しんで欲しいなと、19歳になった自分の娘に向けて書いています。
あ、あとこの問題ってどっかのタイミングで爆発しそうですね。
昨日知り合いと試したんだけど、やっぱり #clubhouse は双方の連絡先を見てなくて、片方が相手の連絡先を知っていればいくらでもストーキングできます。連絡先ブロックした相手がいる人は注意した方がいいかも。 pic.twitter.com/Sy6GiP9gDV
— ホームページを作る人のネタ帳🍰🐈Yamada_Nt (@yamada_nt) February 1, 2021
それでは、また。