あらたにす『俺達はプロだ、だから読め』押し売りスタイルはwebでも変わらないのか?
日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞社が共同で開発したと思われる『新s(あらたにす)』
くらべる一面 : 新s あらたにす(日経・朝日・読売)
ちなみにsは全角です。
このサービスは一体ユーザーに対して何をしたいんだろうか。
『プロの我々が書いたニュースを見ろ、
この体質が変わらない以上、明日にでも過疎化しそうな感じがひしひしと伝わってきます。
特に注目すべきは、『注目のテーマ』。
このページで私は死んだ。いや、私の前に座っているニュース好きも死んだ。
まずそのページの記事タイトルを全て羅列してみます。
読者をどう思っているのかを見せてくれた
ニュースと言うのは、出来事を素早くお知らせすると言うもの。
受け手は、その出来事を知りさえすればそれでOKなわけですね。
なのに、3社もそれに関連する記事を『オレの出せ』『いやうちの記事も出せ』という具合に、出し合ったらこうなります。
注目のテーマ『中国製ギョーザ食中毒』
・健康被害、消費者に衝撃・中国製ギョーザ
・「農薬、相当な高濃度」専門家指摘 ギョーザ中毒問題
・冷凍ギョーザ食中毒、中国の製造元は「有名」輸出企業
・中国製ギョーザなどの撤去・販売中止相次ぐ
・中国製ギョーザで10人中毒症状 農薬検出 千葉・兵庫
・中国製ギョーザに殺虫剤、10人中毒症状・JT子会社立ち入り
・激しい吐き気、しびれる体 好物のギョーザ、命脅かす
・各地の保健所に訴え相次ぐ 「ギョーザ食べ症状」
・JT「農薬とは思い至らなかった」…ギョーザ食中毒で会見
・「最初の被害」から1カ月、公表遅れる ギョーザ中毒
・自主回収対象の冷凍食品一覧…輸入ギョーザ食中毒
・首相、迅速対応を厚労省などに指示…中国製ギョーザ
・都の検査では薬物検出せず…中国製ギョーザ
・中国製冷凍ギョーザ、10人が中毒症状・殺虫剤を検出
・中国製冷凍ギョーザで食中毒、千葉と兵庫で3家族10人
・中国製ギョーザ食中毒、JTなどが23品目を自主回収
注目テーマ : 新s あらたにす(日経・朝日・読売)
同じ出来事を何故何度も読まなければならないんですか。
せめて3社間でまとめてくださいよ。
何の為の共同作業なんですか。
それともくだらないSEOページですか?
新聞案内人達が口をそろえて、『同じ出来事でも書く人によって違う』と言ってみたり、『同一の出来事もより沢山の見方をする事で真実が見える』とか言う始末。
一社じゃ真実は見えませんよ、と。
読者のニュースを仕入れる為に必要とする貴重な時間を何だと思っているんでしょうか。
同一サイト内で3社が単に『行間で』喧嘩し合っているの姿が見られますので、そういう意味では楽しく眺めさせていただきましたが。
新聞の押し売りはネットでも健在か
野村 彰男 - 新聞案内人
この方の発言には驚きを隠せない。
何故私たちがここまで言いなりにならなければならないんでしょうか。読者はそこでプロの記者の手になる記事や社説を見比べ、ついで3紙の個性や特徴を追って各紙のサイトへ進む。さらに、国内外のニュースの背景は何か、互いの関連性や位置づけは、と疑問がわいたら実際に各紙を手に取ってみる。
3紙の個性や特徴を考えなければニュースを仕入れられないのでしょうか。
各社がRSSを配信してくれたら、インターネットの住人達はそれぞれ勝手にRSSを登録して見比べますって。
特に、インターネットユーザーは、ニュースに時間をかけて読み比べたいんじゃない。
これはと思うニュースを素早く仕入れて、話のネタにしたいんです。
1サイトで3社それぞれの主張とニュースを、ただマッシュアップしただけのサイトとなっている現在のスタイルでは、開始してわずか数日で限界が見えてきた頃ではないでしょうか。
今後2008年春に強化すると言われていますので、それまでの間はお気に入りに入れる価値が見当たりません。
そろそろメディアは俺達だけという考えをただす時では
個人的には3社共同サイトを応援していました。
収入が少なくなりニュースを提供する会社の新しい物が見られるのかなと。
新聞社が3社も共同するのだから、もっと面白いサービスが出来ると思っていました。
ですが、本質を変えないまま、ただ単にマッシュアップしただけのwebサイトをみてガッカリ。
期待していた分、がっかりです。
『変わる』という意味では、『この部分の引用を認めます』とか、このニュースの写真はブログで使えるとか、RSS配信によって、各ユーザーがそれぞれ見渡せるようにするとか、閉鎖的な新聞社独自の古い考えを捨てる方向に向かって欲しいと願います。
新聞社の、『オレがメディアだ!』という概念は今、ネット上では不要となりつつあります。
海外の良記事は、日本の一個人が翻訳してお知らせしてくれたりしてるんです。
もっと『ユーザーメディア』に対する配慮をプラスすれば、単純にアクセスだって稼げるでしょうし、一つのメディアとなりつつあるブロガーたちの情報源として、利用価値も何倍も上がると思います。
是非、春の強化には、古い考えが消えている事を期待します。
それでは。