小さな編集部。3人で運営するらばQのそれぞれの役割と運営術

今回スポットを当てたのは、月間1300万PVをたたき出す化け物ブログ、らばQの中の人たち。
らばQ
ニュー得ブログの中の人とたまたまスカイプでメッセージを交わすようになり、ご紹介いただいた。
ハンドルネームでの紹介で申し訳ないのですが、らばさん、こうしさん、ぜろんぱさんの3人にお話を伺いました。
それぞれの役割分担は、非常に効率よく仕事を回し、良記事を掘り出し、そして収益化するというちょっとした小さな編集部となっていました。
何よりも、複数で運営する上で最も大変だろうと思われる仕事量にあわせた収益分担など、一体どのような形で解決しているのか等も教えていただきました。
一番の疑問は収益分配法
らばQのメインライター「らば」さん。
このらばさん、実は女性だったというのを知ってびっくらこいた。
私の中の考えとしては、メインライター、サブライター、編集といった役割分担なのかと単純に考えていたため、その仕事量を考えると、どうしても収益を分ける方法が見つからないと考えていた。
しかし、チームらばQは、実は各個人が出来ない、もしくは苦手な部分を補うような仕事分担している。
役割分担としては、
らばさん
記事の約6~7割は、らばさんがネタ集め+記事翻訳。
普通に面白い人。たぶんかなり面白い事が好き、という性格に感じました。翻訳に関して、チームらばQを支える唯一無二のスキルを誇るそうで。
ぜろんぱさん
らばさんが翻訳したものを、日本風に編集してアップ。
残りの3割はぜろんぱさんが面白そうな英語の記事を見つけて、らばさんに翻訳を依頼という流れ。
らばさんは現在、在日されていますが、基本は海外にお住まいなため、現在の日本で主流の言葉などが分からない部分が多い。
そうした部分をらばさんが解決するよりも、ぜろんぱさんが編集することで、記事の出荷スピードを上げているというイメージですね。
こうしさん
こうしさんが記事を書く事はまれで、出荷エントリーは1割にも満たないとの事。広告代理店と直接話したりといった、らばQブログの外交員を担当されています。
話して見て感じた事は、「あぁ、、営業得意そう」という印象。話しやすく、かつ、具体的な話の進め方をする方です。ただし、記事作成は基本苦手だそうです。
さてさて。
こうして考えると、いよいよどの仕事が一番大変か、という点において議論が割れそうです。
そうなると、収益の分配方法に関して、絶対決まらないんじゃないかと思えます。
しかし、らばQが行っている分配法は至極単純なもので、
平等分配制となっているそうです。

こんな感じで、結構喧嘩はあるみたいですが、お互いの信頼関係とスキルがらばQの根底を支えていると感じました。Ya: どうしても複数でやる場合、たとえば一人が何にもしないときがあったり、逆にその人がものすごく負担になったり、そういうのがあると、喧嘩になりそうだなぁとおもってるのですが、そういうのはぶっちゃけ、どうなんでしょ?
らば: 適当に喧嘩してますよww
Ya: 適当www
らば: あとでも、仕事内容がいっしょだと 負担とかが計算しやすいですが、3人ばらばらなので、きっと全員が一番自分が負担って思ってるかもしれませんw
Ya: ちょwwwルール?みたいなものはあるんですか?たとえばらばさんなら一日最低4記事格とか
らば: ルールってより、敬意ですかね。信頼とか。いわゆる任せておいて安心。。ってのがあると少々の喧嘩でゆるがないってところですかねー
Ya: 少々の喧嘩・・・
らば: それだけ自分のできないことを他の人がやるって分担になってると思います。
ちょっとうらやましかったですw
メインライターのブログへの情熱
個人的に私はブロガーですから、やっぱり気になったところが一つあります。
それは、ブログが好きかどうか、そして、好きならどこが好きなのか?
メインライターをつとめるらばさんに、ブログが好きかどうかをお伺いしたところ、即答で『大好きです!』と返答されました。
いったいどんなところなのかを聞いて見ましたが、非常に興味深い回答でした。
読者を想像しながら書く、という部分にブログの楽しさを見出されているようです。ブログって最近こそ画像でも動画でも張れますけど、もともと日記を公開しようってところからじゃないですか?
私の中では、まだまだ文章を書くっていう風なのをブログととらえていて、いわゆる作文感覚ですね。
ただ、日記と違って読み手のことを想像して書いたりしますよね。
そう言う意味で、読んでもらうってことを意識して書くってところが好きですね。
私も質問しておいてなんですが、どこが好きか?と聞かれたら、たぶん即答はできないだろうなと思いますので、らばさんのブログポリシーが垣間見れた瞬間でもあり、とても参考になりました。
英語が訳せても、専門用語につまってしまう

PC、web関係に関しては、実はらばさんは、あまり得意ではない。
なので、専門用語が出てきたものを訳す場合、それらを調べていくために、相当な時間がかかってしまうそうです。
そこでぜろんぱさんのお仕事が登場します。
日曜洋画劇場の女性みたいな訳しかたと聞いてもさっぱり意味がわからなかったので、きっとぜろんぱさんの仕事はそういうのを直す仕事なんだと悟りました。ぜろんぱ: 彼女は、PCまわりが苦手だったり、英語がわかってもマッチする最近の日本語がうまくでてこなかったりとかがあるので、そこに時間掛けるのは効率が悪い。
そういうのを基本全部引き受けていると言う感じです。
らば: 私はついつい日曜洋画劇場の女性みたいな訳しかたになるんですよ。そこを、ぜろんぱが、、「まじ~?」みたいな、今風にw
ITスキルに長けた人物として縁の下をささえる
こうしさんは、実は中途採用。ITの知識に長けた人と途中事情があって入れ替わったそうです。
私もブログを始めて、わかった事があるのですが、裏でのメールのやり取りとか、結構なボリュームの作業量になります。
ブログから離れた外交作業は、実際ブログを書きたくても書けなくなるくらいの量があり、既に私のキャパシティーを軽く超えているため、全部返信しきれないという鬱があります。
こうした外交を請負い、らばさんや、ぜろんぱさんが快適なブログライフを送る為のサポートを行っています。
まさに縁の下の力持ち!
それぞれが独自の仕事を行う編集部
まさに小さな編集部。
単純に1人で記事を書き続けても、出荷スピードを効率よくまわす事は、実際かなり難しい。
3人で記事を書きまくると、今度はどの記事がアクセスがあるだとかの問題になり、収益の分配が大変そう。
なので、今回のらばQさんの仕事の回し方については、ブログというものを『書くだけのもの』という媒体としか考えていなかった私にとって、非常に参考になるものがありました。
複数でブログに携わるということは、単純に『更新速度』を上げる事ができます。
これは私の推測ですが、例えば3人でブログを運営した場合、3倍のPVになる、というわけではなく、最低3.5倍以上のPVを達成する事が出来るなら、複数で運営する意味が出てくるのかなぁと最近つくづく思います。
何よりも今回聞いた中で
というセリフに、ちょっと感動しました。敬意ですかね。信頼とか。いわゆる任せておいて安心。。ってのがあると少々の喧嘩でゆるがないってところですかねー
私も誰かと一緒に何かやってみたいなぁと思ったりなんだりする刺激がありましたね。
と、まぁ、ここまで非常に良い面のらばQをお送りいたしましたが、実はらばQ。
まだまだ収益の面では結構きついらしい。
複数運営でのリスク
実はらばさんとチャット中、
と、言ってきたんですが、らばさん的にはかなりの贅沢だったらしい。らば: デパ地下でご飯かってくるんですw
Yamada : レストランじゃないですか!?
らば : とんでもない・・・デパ地下でも贅沢です...
こうしさんも「まだまだ軌道に乗ったというわけではありません」という感じで、3人で運営する事の難しさボソッともらしました。
収益化しにくい点として、あらゆるジャンルのネタを取り扱っているという点が上げられます。
地味ですが、アクセス数が少なくてもジャンルの特化した媒体への広告掲載は結構効果的です。
単価もやっぱり無差別ジャンルへの広告よりもジャンル特化への広告のほうが比較的高いというのがこの業界。GoogleAdSenseだって同じです。
そういう意味では、一人でやるより実は他の2人のリスクも背負ってやる分、慎重になったり、時には大きな喧嘩とかもしちゃうみたいですね。
今回聞いた話は、もちろん最初記事にするつもりはなかったのですが、聞くと参考になる話ばかりだったので、なにかの参考になればと思い、掲載の許可を頂き書かせていただきました。
らばQの方々、遅くまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは、また。
インタビュー先
らばQの中の人