ブログを公開する前に確認する6つの記事属性
「好きな事を書け」なんて無責任な事を言う人がたくさんいるのですが、ビジネスブログってそんな簡単なものではありません。「○○(実店舗名)の店員は本当にやる気が無い。ちょっとびびらせてやったら震えてたし」なんて、平気で書くブログがまだまだ有るのです。
今回のエントリは、そうした企業ブログを書いている人が、今書いている記事はヤバイものかなという判断を記事公開前に確認しやすいように、記事の属性をわけてみましたので、それを参考に自分の記事に当てはめてみてください。
ブログでの発言には『属性』と『性質』がある
とあるの社員が、体調が優れなかったため、有休を取った。
彼は休みをとった日にブログを更新した。
この事を、そこの社長がビジネスブログで徹底的に批判。休む暇が有れば働けと言わんばかりの内容でした。
社長ブログははてなブックマークでの批判コメント祭り。
各種ブロガーや、アルファーブロガーまでが参入し、社長ブログは完全に炎上しました。
記事を消したがすでにWEB魚拓として保存され、晒されました。おととしに実際にあった話ですが、以下で紹介する属性が持つ性質を理解しておけば、このような問題は起きません。
例えば、同じような内容の事を書いていたとしても、この性質と属性を理解しているかしていないかで、『発言に大きな差』が生じます。
最終的に『あぁこの記事良い記事だ』と読者に与える印象と、最初の段階で口コミされやすい、広がりやすい力と言うのは、『相反しています』。
これらを踏まえ、6つの属性に分けて考えてみましょう。
属性とは?
属性とは、その発言事態がどのような観点から物事が考えられているか、というのがポイントです。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、以下のような図を。

以下6つ
- 中立的な物事の報道
- 同調、同意、考えの提出
- レビュー、実験と結果
- 捏造・誇張・疑い・陰謀
- 一方的な反論を決め付ける
- 問題点の抽出、問題の発起

はい、試しにここで「Perfumeがアルバムを出した」という物事を中心に6つの属性を考えて見ましょう。
上の図の順番で行くと以下のような記事が出来上がります。
1)Perfumeのアルバムが○月についに出た!(中立的報道)
はい、よくGigazineさんあたりのトラックバックでよく見かけるパターンの奴です。
あとネタ帳でも見かける海外での良記事をただ紹介するパターンの奴です。
ニュースがでたらそのまま右から左へ受け流すかのごとく、そのまま書く情報です。
スピードが命であり、注目の集めやすさは周囲の認知度に比例します。逆に言えば、すでに旬を過ぎていた場合、この記事は価値を失います。ただし、ソース元を含め、こうした中立的な記事を書き続ける事は、最終的に「信頼」を得やすい記事となります。
2)Perfumeの新曲がでた、ホントに素敵!大好き!もう最高!(同調・同意)
出来事に対して、完全なる同調、肯定を口にする事。
ひとつの出来事、また、誰かの言及などに、同調して乗っかる方法。同調されたほうもなんとなくうれしくなります。
また、「面白い」「素敵」と思った事を感想つきで紹介する事は、読者にとっても参考になる事が多い。
もうひとつ、中立的な紹介では、たいした興味も無い人はスルーしますが、そこに、感想がついている事で、興味の無かった人まで、その紹介に対して興味を抱く事も有りますので、有効に活用するといいでしょう。
3)Perfumeの新曲を聴いてみた。まるで、天使のような歌だ。(レビュー・結果)
出来事に対して、何かを試した結果、こうなった、こうだった、というレビューの情報。
実は、多くのブログの記事の中で「試した結果、駄目だった」というエントリは、注目を集めにくいのです。
なぜなら、試して駄目だった事が参考になる人は、その「試したものを知っている人限定」だからです。
実は「試して良かったものを紹介する」と言うのは、「試したものを知らない人」も興味を示す事になり、とても有意義な記事になります。また、真実を伝える事は、後々の信頼性を向上させる事ができます。
4)Perfumeの新曲は、もしかしたらファンは受け入れられないかもしれない(問題の抽出)
出来事に対して、1つの問題点を見つけて、これは問題ではないだろうかと、周囲に同意を促す情報。
問題の抽出は、上の3つに比較すると口コミ効果が高まります。
完全解決エントリと違い、問題だけを提出する事は、批判や、批評等を受ける可能性がたかまり、リンクを集める効果が有ります。
問題を掘り返すだけ掘り返し、解決はしない、というパターンがありますが、別に悪いわけでは有りません。多くの読者に一緒になって考えてみてほしいという場合はそうなります。
しかし、解決策を出さない場合は、結局参考になる記事とは言えないため、将来的な信頼性、信憑性は減少します。
5)Perfumeの新曲はまるでなってない。口パクをまず直さない限りあのユニットはもう限界が来ている(一方的な反論)
出来事に対して、完全に一方的な批判をあびせる記事。
自分が正しいと思っているか、もしくは反論されるのをわかった上で書かれることが多い。
日本人の特徴として、ブログや、匿名の場から批判する文化が根付いています。そのため、一方的な批判記事は、多くの注目を集めやすい性質を持っている記事と言う事になります。
リンクを集めやすかったり、ソーシャルブックマークサイトに取り上げられたりといったパターンが有ります。
この記事の連投は、一時的な注目度を集めやすいが、将来的なアクセス数は減少し、ブロガー自身、もしくは企業自身の信頼を低下させます。
6)Perfumeの新曲発売と共に熱愛発覚?のっちについにジャニーズの影が!?(捏造・誇張)
捏造や、憶測、陰謀論などによって、注目を集めようとする情報。一時的な注目をもっとも手軽に集め易い手法だが、将来的な信頼が得られず、死滅する事がほとんど。
適当な事を述べるだけで良いため、コストもかからない。よくある手法としては、関係者にコメントをしゃべらせたり、アンケートしてるところ見た事無いのに、アンケートの結果としてランキングを出したりする。
捏造業界に詳しい関係者は次のように答えている。
「芸能業界では当たり前に使われている。特に嫌われランキング等、集計しなくても出しているブロガーは多い。しかもうまい奴等は巧妙にだまし続けて今でも人気ブログとして君臨し続けているのだ」
↑こんな感じ。
とりあえずビジネスブログでは使うべきではないのは言うまでも無い。
記事がどのような効果を持っているかを把握
本当はまだもう少し色んな属性があるのですが、それはまた別の機会に紹介いたします。セミナーとか。
これらの属性は、複雑に融合している記事もありますが、大きく分けるとこのいずれかの属性が絡んでいる事が殆どです。
例えば「出来事の報道を行ったのち、問題の抽出を行い、批判する」といったパターンもあります。
上の図で上から3つは信頼性を高める効果がありますが、注目を集めるのは難しい情報となります。
逆に下の3つは、注目を高める効果がありますが、逆に信憑性や、信頼性を失う属性となります。
ただし全ての内容が上に当てはまるわけでは有りませんので、あくまでも参考までにとらえてほしいと思います。
ビジネスブログを書くときに、「何を書いたらいいか、わからない」となった場合、上から3つを選ぶのが無難な策です。下2つは逆にえらい事になる可能性が高いのでなるべく避けるべきです。
批判記事は、
・最後に批判にならなければ丸く収まってしまうようなテク
・批判している対象が、世論と完全リンクさせるというテク
・世間を批判しているようで、だれも自分の事だと思われないような批判の仕方
などがあります。
あまりなれない事をすると簡単に炎上しますので、特に批判記事には最新の注意を払いましょう。
いずれにしても、1つの記事が、最終的にどの属性の記事になるのかという事を把握しておく事で、攻略の糸口がつかめます。
これは、書き終えた記事を読み返す事で、実際はほめているつもりでも、批判になっていたり、問題を掘り起こすだけ掘り起こして解決してなかったりといった、記事全体の属性を把握する事で見えてきます。
例えば、社員の有休を完全否定したブログの話を冒頭でしましたが、立場と関係から言って、社長が公の場で有休を批判する事は好ましくありません。社内でやってくださいとしかいえません。
実際に、こうした言ってはいけない事を、平気で言うビジネスブログというのは膨大に存在します。
しかし、6属性のうち、①②③のみを意識して公開するよう徹底すればこうした問題は起きません。
その代わり注目を集めにくいですが、もし炎上等が怖いと感じているのであれば参考にしてみてください。
逆に、個人ブロガーの場合、無意味に批判を恐れるよりは、下の3つの属性も含めて、攻めるだけ攻めて、結果どうなるのかを体験してみるのもまた乙なものです。注目されてくると、いやでも批判的なコメントは増えますので、避けて通れる道ではないかもしれませんし。
是非、がんばってみてください。
それでは、また。
この記事、今週時間が無くてちょびちょび書いて言ったものですが、書くのに5日かかってます。
なので、なんとなく、最初に言いたかった事と、違う事を言っている気がしてなりません。「ちょっとなにいってるかわからないよ」という方はアドバイスくださいませ。