知識のないwebサイト担当者でも出来る簡単なアクセス解析3つ
2011年02月07日 公開

web屋さんとしてSOHOを営む人もいるでしょうし、企業組織としてweb屋を営む人や、専属でweb制作している人もいるでしょう。
さて、そんな皆さんがweb制作をするに当たり、ひとつ大事な事があります。
それは、予算がどうやって決まっていくかという点です。
webサイトへの予算の考え方をしっかりと決めておかなければ、最終的にコケて終わるのです。
アクセス解析と予算の取り方はきっても切れない仲にあります。今回は企業担当者でも出来る超手軽なアクセス解析を勉強してみましょう。
何がどうなるのかという結果に対して費用が決まる
圧倒的なまでに単純な理由ですが、web制作をした事で、どうなるのかという結果がわかるなら誰だって今すぐweb制作をするはずです。しかしそうはならないのは、結果が見えないからにほかなりません。
では結果を見るために何が必要なのかと言うと、結局先行投資して、公開後、アクセスを解析するしかありません。
「なんだ、詐欺じゃないか」
そう思ったなら、webサイトを作るべきではないかもしれません。
乗せられ、webサイトを作ったまでは良いが、結局何事も起こらず、何ひとつ伝える事が出来ず、静かにフェイドアウトしていったサイトは、星の数ほど存在するわけです。
では、先ほど言った先行投資とは一体何を指すかと言う事です。
ただジャバジャバとお金を捨てても意味が無いので、ひとまず、身になる事を考えなければなりません。
これは以前にも書いた事がありますが、どこまでの範囲をweb制作と言うのか、と言うところを、大きく間違っている企業が多いのです。
web制作の範囲

webサイトを制作してそのまま喜んで完成、予算打ち切りと言うのは大きな落とし穴です。
ここまでのお金を全く捨てるようなものです。
これらは完成後、アクセス解析を使い、どのような結果になったのかまで見なければなりません。

つまり何度か解析し、サイトをリニューアルしていく事で、サイトの方向性を決め、『正解』に近づけていく事が求められます。
ようするにここまでの予算を考える企業が少ないのが現在の最大の問題点です。
一般的には、web屋さんに解析まで依頼して、どのようにリニューアルをしていくかを提案してもらうことが正解だといえます。株式会社にした時に税理士さんに仕事を任せるのと一緒で、webを知らない企業担当者が、その後、良質な改善をしていくと言うのは難しいからです。
そしてこの解析を通じて、webサイトとはどのようにあるべきなのかと言うのを、webサイトを作る側の企業が、知る事が出来ます。
これは本当に大事な事で、例えばトップページに「どーん」と目立つフラッシュを配置して、メニューを細かく表示して、あれもこれも詰め込んでという依頼や、コンテンツページなど必要ないので、とにかく目立つページを沢山つくってほしいという無茶な要求が、いかに「無茶」なのかを知る事が出来るからです。
なので、最初からある程度細かいリニューアルの分まで予算を取っておくと言うのは、とても大事な事なのです。
簡単な解析方法3つ
解析自体はある程度知識が必要と言われますが、簡単なチェックなら企業でも行えます。
1)UUとPVを確認する。
2)アクセス時間を解析する
3)検索キーワードを解析する
非常に簡易的な解析ですが、この3つくらいは企業担当者の方でも把握しておくことで、じゃぁどうしようかと言うお話を企業内でする事が出来るようになります。
1)UUとPVを確認する

UUとは、ユニークユーザー数の事で、その日の、純粋な人数と言うことになります。
PVとは、ページビュー数の事で、その日何回見られたかを表しています。
例えばAさんとBさんが訪れたらUUが2です。
しかし、Aさんが朝に一度訪れて、夜にまたもう一度訪れたとします。同じようにBさんは一日に3回訪れたとします。
するとPVは5となります。
とりあえずひとつの指標として、UUとPVの差が少ないと、そのページに対するユーザーの関心が薄いか、もしくはアフィリエイトや広告を貼っている場合、そっちの方にエスケープしている人が多いと言うことが分かります。
なので、理想を言えばUUの倍はPVを作れるようにしていく必要があります。
対策方法
例えば、商品の説明ページで、UUが100、PVが120となると、圧倒的にその商品に対する説明が不足しすぎている可能性が高いです。商品に対する興味があり、そのページを開いたユーザーが、1回の閲覧ですべてを把握し、去って行った事になります。そして、その商品には興味が持てなかったユーザーが多いと言う事になります。
これは、その商品のページを、もう一度訪れようとする理由が見当たらないとユーザーが伝えています。
この場合は、やはり商品に興味を持ってもらえるようなアプローチに変える必要があります。
ただし、他の商品ページで、UUが100、PVが250とかあるページがもしあれば、先ほどの120PVの商品ページは、リニューアルする予算をかけずに放置して、250PVの方をもっと伸ばしてもいいかもしれません。
これは、インターネットの特性でもあり、売れないものは、がんばっても売れない事が多かったりするからです。
2)アクセス時間を解析する

これはタイムラインを見る必要があります。
週間、月間通して、どの時間にアクセスがあるかを見るのです。というか見れないアクセス解析は今すぐすてて、確認できる解析ツールを導入しましょう。いまだにトップページにアクセスカウンターを設置してそれだけに満足している企業は腐るほどあります。
さて、タイムラインで確認するべきはターゲット層と年齢です。
とても簡易的にざっくりと説明していきます。
女性と男性どっちが多いのか
1)朝9時から、12時まで、13時から16時までの閲覧者が多い場合は女性が多い可能性が高いです。
2)12時から13時まで、18時から翌日2時までの閲覧者が多い場合は、男性が多い可能性が高いです。
若者層が多いのか年配者が多いのか
1)23時から翌日3時までのユーザーが多い場合は、若者よく見る情報が多い。
2)12時から13時まで、20時から23時までのアクセスが多い場合は年配者よくみる情報が多い。
特に12時から13時までの時間帯はサラリーマンが見ていると言うことが分かりやすく、その時間帯のユーザー層は把握しておく必要があります。
ブログなどがあれば無料アクセス解析ツール「なかのひと」を使っておくと、男女の予測や、年齢のある程度の把握が可能になりますので、1~3ヶ月くらい試してみる価値はあります。
これによって、自社が訴えたいユーザーに対して、きちんと情報を飛ばしているのかどうかと言うのが分かります。
若者が積極的に入手しないようなマンションや、住宅を販売する企業のブログで、若者が好む動画を紹介しまくったり、絵文字や顔文字を積極的に使うなどをしていると明らかに違うターゲット層を呼び込むだけで、サイトの存在意義が薄くなっていくのです。
3)検索キーワードを解析する
検索キーワードは基本的にweb屋さんに解析してもらうのが手っ取り早いのです。
なぜなら、これはそのwebサイトが、どのような商品を販売しているのか、どのようなサービスを提供しているかによって、大きく対策が変わってくるからです。それでも、最低限抑えておきたいポイントは3つです。
1)企業の名前での検索が1位では駄目
サービス名での検索ならよいのですが、企業名での検索1位は非常に問題です。
インターネットに参加するならば、少なくとも企業名を知らないユーザーにきてもらわなければ、開始する意味がありません。企業ブランドを前面に出しすぎている可能性が高いです。
もう少し、商品やサービスのページを充実させていく必要があります。
2)自社が販売したいものや、サービスに関係するキーワードよりも、はるかに全く関係ない検索キーワードが上位3つに入っている
販売したい物が服なら、マイケルジャクソンとかで検索されて表示されるページがあってもよいと考えられますが、例えば全く関係ない除雪機や、ストーブなどの販売サイトで、余計な検索キーワードが多い場合、訪問されてきたユーザーは、即座に退出します。
そのため、もし仮に高いPVを得る事が出来ていたとしても、ほとんどの場合、効果の無い訪問者となるでしょう。
各ページで、必要の無いテキストが書かれている可能性が高いです。
もう少しテキストを考慮する必要があります。
3)検索してくるユーザーが一定、もしくは月ごとに減少していっている
月をおうごとに検索してくるユーザーが減っている。または、同じ検索キーワードでも、半年で全く検索されてこなくなったという場合があります。
色々考えられますが、高い検索キーワードがあったら、その情報にすこし力をいれてページを新たに作ってみると、意外と効果的です。また、突然検索キーワードから消えた言葉があれば、スパムとして判断された可能性が高いです。
ページ内で、過度にキーワードを使ったり、露出させようとしたりして無いかを確認する必要があります。
解析についてまとめると
全く知識が無かったとしても、アクセス解析ツールとにらめっこしていると、意外と見えてくるものが多いです。
そして、こうして解析した結果を元に、社内で検討、検証することが出来ます。
つまり、web屋さんに無駄なお金を払わずにすむようになり、その分違う改善に予算を回せるようにもなります。
これらの解析は手軽に、簡単にある程度の『結果』を予測する事が出来ます。
現状を知る事は、こうした対策に役立ちます。
多くの場合、これらの解析も面倒なのでweb屋さんに任せるパターンもありますが、もしも、もう少し予算編成を考慮したいという場合は、自社でまず出来る事から始めてみましょう。
見えていないものが見えてくることでユーザーの声を聞くことが出来ます。
webサイトの作成目的は、作る事ではなく、運営する事なのです。
それでは、また。