文章や記事を研ぎ澄ます「フォーカス」という考え方
2011年05月31日 公開

記事の内容:ブログにとって記事は「製品」であり、製品の開発を行っているのがブログ。記事を製品と考えるなら、マーケティングの手法「フォーカス」を利用する事で、ブログはよりすばらしいツールになるんじゃないだろうか。
ブログとはシンプルにする事が成功への近道
なんでもそうですがシンプルにするというのは、簡単な事ではありません。
簡略化するためには、より複雑な考察を重ねる必要があるのです。
ひとつの事に焦点を当てる事をマーケティングではフォーカスと言いますが、フォーカスを利用する事で、初めて強力なポジショニングが可能になります。
これはポジショニングマーケティングのAl Ries(アル・リース)氏の書籍などをあさって見ると色々と面白いものが見えてくるかもしれません。
私がこのブログを始める、さらに数年前から他にいくつかのブログを書いていました。
そこでは、多くの人気ブログを見習い、多くの情報を取り扱ってきました。更新頻度で圧倒的に負けるにもかかわらず、時には大手のニュースサイトを目指したりもしました。
そこで多くの情報の有り方やマーケティングを学んだのです。
Web屋ネタにフォーカスした
私がこのブログを始める4年前に「私の分野」にフォーカスを当てる事を決めました。
しかし、旭川にいる知人なども含めて、知り合いや友人が私の記事を評価する人はだれもいませんでした。
「もっといろんなニュースを取り扱ったほうが人が来るに決まってる」
「一般うけしないと意味が無い」
こうした意見しか聞く事ができませんでした。
もちろん当時はソーシャルネットワークがそれほど充実したものでは無かったため、同じ趣味や知識を持った人と知り合いになるハードルが高かったのが、こうした結果になったと言えます。
しかしそれまで書いてきたブログから、「フォーカス」が成功への近道だと言う事は知っていました。
それを信じて今でも記事を書いています。
さて、「私の分野」とは「情報の整理とマーケティング」でした。
これらを主軸に「web屋系の情報を扱う人」という少し幅を広げたコンセプトを掲げてブログを作りました。
webライフを楽しむ人の為の興味がわく情報を『整理』して提供する事でスタートしたのです。最初に口コミで広めてくれるであろう友人たちの力は全てあきらめる形となりましたが、今ではようやく数字と結果によって認めてくれるようになりました。
集中化する事でブランド力を手に入れる
ブログが会社だとすれば、記事は「製品」です。
例えばソニーのように商品が有りすぎて、ソニーって何のメーカー?って言われると、いろんな電化製品扱ってるメーカーっていう印象が強いです。もちろん「多種多様な電化製品」というブランド力がありますが、私が目指したのはそこではありません。
シャープって聞くと妙に「液晶」っていう印象があるし、パイオニアって聞くと「音楽」っていう独自の印象があったりする。実際に取り扱ってるものが違ったとしても、人は私と同じように、このメーカーはこんな商品が強いよねぇっていうイメージを抱いてる人は多くいると思います。
製品の話となると意外とイメージしやすいのですが、このメーカーはこんな商品ジャンルに特化してるってイメージを持っていると、その商品の安全性や、信頼性を強くいだく傾向にあります。
この話をするときに良く出てくるのがノキアというメーカーです。
いまや携帯電話端末のシェアを独占しているほどのノキアですが、1865年に製紙会社として設立された会社だと言う事はあまり知られていません。
紙、タイヤなどのゴム製品等から、電子機器が加わり、PC、携帯電話へと移り変わって行きました。
ノキアがすごいと言われている点は、1990年代に非常に深刻な経営危機に直面したとき、携帯電話のビジネスが伸び始めた事から、これまで行っていた事業をきれいに撤退し携帯に力を入れたと言う事です。
これにより、いまや世界No1の携帯電話機器メーカーという不動の地位を獲得したのです。(近年スマフォの影響で減少傾向にはあります)
ノキアはよりシンプルに事業を集中化し、ブランド力を築き上げたのです。
PCメンテナンスを行う人を比較して見てください。
30年間メンテナンスをし続けた、優れた知識を持った人で、総合デパートの中で仕事を請けているケースと、PCのメンテナンスしか行わない企業に在籍している3年目の社員。
どちらにお問い合わせをするかと言うと、後者なのです。
多くのユーザーは、どんな情報よりも、まずそれに特化したブランドに対して、全てにおいて優れた知識を持っているのではないかと言うイメージを持つのです。
ではブログをブランディングするために、記事をシンプルにするとはどういうことでしょうか。
記事にフォーカスをあてるとシンプルになり研ぎ澄まされる
「次は何を書こうかな」
ブログを始めたブロガーの台詞にはそんな言葉がよくでます。
もし、何を書こうかと決まったなら、そこで一度、その情報に対してフォーカスを当ててみてください。
あなたがもし「その記事を書こう」と思ったなら、まずあなたのブログのテーマに沿ったフォーカスを一度使っているかもしれません。私のブログなら「ブログに関する事」や「Web制作に関する事」といったものがあります。
その上であえてもう一度情報を切り刻むのです。
まるで鉛筆のしんのように先を尖らせ、鋭利なものにしていくのです。
切れ味のある記事はより人の批判を浴びやすくなりますが、より人の心に残りやすく、より面白い記事になります。
細かくするとボリュームが小さくなる事もあるでしょう。
そんな時は学んで見ましょう。
その小さな分野をそのとき学んで見る事です。
その結果も含めた記事にする事で、記事はより生きたものとなります。
そのとき学んだ事が、間違っている事も多々有りますが、公開する事で人に修正してもらえる事が多々有ります。一時的にへこみますが、明日からの自分の糧に必ずなります。
「アウトプットのためのインプット作業」はブログによって人間的に成長する事ができる魅力のひとつなのです。
もしもこれから記事を書こうと思ったら、そのネタを再度フォーカスしてみてください。
そこに新しい発見が生まれたり、細かくすることで、別の角度から情報を見る事が可能になるのです。
それでは、また。