最適化の方法が変わっただけでSEOはまだまだ終わらない
2011年06月06日 公開

いや、全く意味がわからなくて思わず書いたんですけどね。
SEOの終わりとソーシャルとnanapiのコンテンツの未来 - ロケスタ社長日記 @kensuu
ソーシャルメディアが力をつけてくるとネットでどういう変化が起こるのかというのが、上の記事で非常に細かく分析されて、まさにその通りだなぁって思うのですが、SEOは無くならないです。そもそも現代のSEOはコンテンツファームでもなんでもありません。
どうしてSEOが終わらないのか
「SEO重視で行きたいのでよろしくお願いします!」
「わかりました。今の時代のSEOでいうとコンテンツ重視と言う事ですね?リンクを集めたり、ページを量産しても今はサーチエンジンに最適化されるとは言えません。」
最近私が交わした会話ですが、コレが私が言いたい事の真理です。
・SEOの企画書とかもうやめてほしい
・お客もまだSEOすればいいと思ってる
こういう声を良く聞こえてきますが、これは言葉の意味がなにか間違っています。
SEOっていう言葉があまりにも胡散臭い言葉になってしまった事が原因で、誰もが次の言葉を捜しているというのはあるかもしれない。
2009年1月に上の記事と同じ事を書いた覚えがあって自分で調べたら出てきた。
売れてるSEO業者が行っているのはSEOでもSEMではなくHIO
このほか、SMO、ソーシャルメディア最適化っていう言葉も当時良く聞きました。
要するにですね
「検索エンジン最適化」がSEOなので、「より良いクオリティを保ったものを公開する」っていう行為も、結局現代の検索エンジンの上位を狙う行為なわけですから、SEOだということ。
なんにも昔から変わったところは無いのです。
あくまでもスパムフィルタのレベルが上がり「より人間らしい観点のもと、よりよい情報を上位表示させるようになった」だけであって、検索エンジンを使うユーザーがいなくならない限り、検索エンジン最適化の戦いはいっそう激化していくと言う事です。
結局こういう話になってくると、割って入ってくるのがFacebookです。
GoogleはFacebookに完全に敗北するという説が多く出ています。
実際のところどうなるでしょうか。
これはSEOとは別に、時代とともに何がかわり、何が変わっていないのかを見ると、はっきりとわかります。
人は昔から変わらず、あらゆる情報へのアクセスを3クリック以内に収めようとする習性がある
これは既にインターネットが生まれてからずっと変わらない人間の法則です。ユーザビリティの記事にも追加しようか悩んだ部分ですが、この法則にしたがってインターネットは動いています。
TwitterやFacebook、mixi等も含めて、ソーシャルメディアがまだない時代、それこそGoogleがまだない時。
日本ではYahooが圧倒的なシェアを誇っていました。
この時代から3クリックの法則は揺るぎません。
まず多くのユーザーはポータルサイトと呼ばれる、Yahoo、ライコス、フレッシュアイといったサイトを訪れます。ここにいたるまで、ほぼお気に入り機能を活用しますので、1クリックです。
ここからサイト内のコンテンツを1クリックして、さらに外部サイトへ1クリック使用します。
ポータルサイトをトップページにしている場合は、この先1クリックする余裕がある事でしょう。
この現象から言える事は、ポータルサイトのディレクトリや、検索結果に掲載されればOKと言う事です。逆に言えば、ポータルサイトからアクセスする方法が無い場合、そのサイトは存在しないようなものです。
もしお気に入りのサイトが見つかった場合、そのサイトを半径3クリック以内に収めるために「お気に入り」に追加するのです。
この時代は、Yahooの検索結果に掲載されるために、Yahooの許可が必要だった。そのため「ポータルサイトが認めたサイトが3クリック以内」という位置をキープする必要がありました。つまりWebは現代から考えると、Yahooの社員フィルタリングという偏ったフィルタが存在していたため、とても狭い世界だったのです。
Googleによって広がった世界
Google検索はこれまでのYahooの検索とは違い、より多くの情報を「検索」として提供してくれました。
これによってYahooディレクトリに登録されてなくてもアクセスされるようになったのです。
しかし、3クリック以内の法則は相変わらず変わりません。
Googleへ行く、検索する、サイトへ行く。無ければ戻るというサイクルを繰り返します。
つまり検索結果の2ページ目となると一気にアクセスが低下するのはこのせいです。
また、RSS、ソーシャルブックマークが登場したのもGoogle登場後です。
情報量が爆発的に増えるきっかけとなったブログツールが登場した事で、出来るだけこうした情報量の多いサイトへのクリック数を減らそうと、ユーザーが使いだしたのです。
最初に述べた通り、ユーザーは3クリック以内に収めたがります。
RSSリーダーを利用する事で、目的の情報までのクリック数が、RSSリーダー→目的のページとなり情報の取得がすばやくなりました。
ソーシャルブックマークに関しても、ユーザーの望みである「3クリック以内に納めたい」という願望をクリアしてくれるサービスなので、利用者は増えました。
しかし、実は過去のブックマークページへ戻ったり、検索したりする手間が1クリック増えてしまう為、ユーザーは過去記事などほとんど読んでないというケースも多々あるのです。ブックマークへのアクセスをアドオンなどで軽量化するのには、それほど多くの意味が無いように思われますが、これはとても重要なパーツで、1クリックでも減ると、利用頻度は倍以上になるのです。
こうして、たとえ半径3クリック以内であっても、各情報への「アクセスルートが増えた」事で、WebはYahoo時代に比べると、格段に広くなったのです。
ソーシャルメディアが登場するとさらにWebは広くなる
例えばTwitterを活用する事で、Twitterから「偶発的に流れてきたニュース」等を開いた事は無いでしょうか。
また、知人、友人たちが「コレ面白い!」とか「これは絶対読むべき」と言われて紹介されたリンクを読んだ事は無いでしょうか。
Twitterを開く(1クリック)→リンクを踏む(1クリック)という行為のみになったと仮定しましょう。
クリック数は3クリック以内ですが、これまでのYahoo時代から比べると、恐ろしくWebが広くなったと言えます。今まで読まなかったであろう小さなブログの記事や、誰かが偶然取った面白い写真など、多くの情報をキャッチする事が出来るようになったのです。
時代ともに変化しているのは、『その情報に出会う為のルート』です。
Twitter、Facebookは、インターネットをより広大に感じさせてくれるでしょう。
新しい情報との出会い、今必要とされる情報が大量に出回ります。もちろんこの大量に出回るという変化についていけず「デマ」に踊らされる事も多くなりました。
それでも、3クリック以内にあなたのブログや記事が登場する機会を増やす事が簡単にできるようになったのです。
その方法こそが「人の役に立つ、すぐに実践できる、すぐに人に伝えたい情報」といったクオリティの高い情報の生産なのです。
誰かが誰かに紹介したくなる情報なのか、と言うのは、個人個人の脳内のフィルタリングを突破し、「これなら知り合いに紹介したいな」と思ってもらえる情報の事です。
結局フィルタリング方法が変わっただけでSEOは健在
結局素直に、人間を見る必要が有りますよっていうお話。
昔はYahooの人たちがつくったフィルタリング。
Yahooのディリクトリに登録してもらう事。
もちろん最適化はYahooの人たちに認証してもらう行為。
ちょっと前はGoogleが考え出したアルゴリズムフィルタリング。
Googleが提供するアルゴリズムにのっとったサイト構成、リンクの網を作る事。
もちろん最適化はGoogleボットに価値があると見せる行為。
今は知り合いが悩み、考え出した脳内フィルタリング。
もちろん最適化はその知り合いに紹介してもらえるような価値のある情報を作る事。
上の扉絵で紹介した画像は実によく出来ている。

この画像のFacebookフィルタを、昔はYahooの人たちが、ちょっと前はGoogleランクが、と置き換えて見るとわかりやすいかもしれない。
Facebookがこれらの仕事を全てするようになったら、時代はGoogleを飲み込むかもしれないが、今のところ検索はGoogleのほうが使いやすい。
時代は静かに変わり、もしかするとGoogle検索エンジンそのものを使わない人が増えていくかもしれない。しかし、SEOが終わると言うのは、検索エンジンを利用する人が一切いなくなった場合のみ言える事です。
もし仮に、ソーシャルメディアがソーシャルな会話やデータを元に、独自のサーチシステムを開発したとしたら、そこにまた必ずサーチエンジン最適化(SEO)は誕生するのです。
今のところはまだまだGoogleの検索上位表示の価値は高いです。より良いコンテンツを作って上位表示を狙うSEOは、最適化する方法がかわっただけで、まだまだこれからも続いていくのです。
それでは、また。
※でも本当はSEOっていう言葉があまりにも胡散臭い言葉として浸透してしまったので、次なる言葉があってもいいかもしれないと心の中では思ってます。