携帯フィルタリングをすれば安全という親の間違った認識

携帯を子にもたせる親が増えてきていて、実際にお話を聞いてみると、特に何も考えてない、そしてこれからも、別に学ぼうとも考えていない人が多かった。
それでいいの?って思ってしまう。
携帯電話だからとかではなく、ネットには、心のセキュリティが必要不可欠であると思います。
真っ白く清潔なクリーンなネットライフが危険
一番の問題点として、このクリーンな世界と言うのがあります。
多くのお父さんお母さんが子供に携帯電話を与えるときに、各キャリアから
「変なサイトにはつながらない様にフィルタをかける事ができます」
という説明の元、それをまるで安全かのように受けいれてしまう親が多いんだよねこれが。
つまりこのフィルタリングサービスが、キャリアにとって「クリアで清潔なネットを楽しむ事」ができるので、パケット定額がいいですよと言う切り札になっているわけです。
もちろん子供たちもバカではありませんので、フィルタリングをはずすように親に言う人も少なくないのです。じゃなきゃ「友達が持っているネット」と「自分のネット」が違うわけだから、そりゃ必死にもなります。
ここでなぜ危険なのかと言うと、親がその判断をキャリアや子供たちに丸投げしている事が多々あるということです。
フィルタリングは別に安全な世界ではない
そもそもPCからつなげようと、モバイルからつなげようと、どちらもネットなわけですが、そこには、綺麗情報から、こきたない情報、エッチな情報から、薬物、出会いまで様々なものが転がっています。無数に。
手を伸ばせば即座にそこにたどり着き、時にはそこでコミュニケーションをとることも出来ます。
まさに現代のどこでもドアです。
寂しいときは携帯を使って同じ趣味の人間を探したり、誰かの裸を見たり、爆弾の作り方を教わったりできるわけですよね。
フィルタリングを利用する事で、有害とされる情報にはたどり着けなくなりますが、誰とでもコミュニケーションを取る事は可能ですし、自分からフィルタリングのない世界へ情報を発信することも可能です。

実際はフィルタリングされた世界も、フィルタリングされてない世界も、同じ空間に存在しています。
つまり、そのコミュニケーションをとる相手次第では、本来フィルタリングされた世界では知りえないような情報も手軽に手に入ることもあるし、安全だと思っていた世界に、未成年がタバコをすいましたと書き込んで、フィルタリングされていない世界の人達に見つかり、住所や、顔写真、学校、全てを晒される事もよくあるのです。
ただし、自分はフィルタリングされた世界にいますので、晒されていることすら、誰か他の人から聞くまで気づくことはできません。
世界はつながっていると言う事を認識しにくい
携帯利用者のほとんどが、ネットはあらゆる人間につながっているという認識がほとんどありません。
フィルタリングしていようが、していまいが、手のひらサイズのネットで、様々な人から見られる可能性がある事を認識することはとても難しいことです。
キャリアが提供するiモードや、EZwebなど、検索窓を利用せずコンテンツを利用するユーザーも多い。
すでに用意されたサイトで、とても小さな空間で遊んでいるかのように錯覚します。
Twitterもそうですが、Twitterばかりやっていると、その空間はとても小さいのです。
自分の発言が、一歩間違えば世界中に晒されることなど、想像する事のほうが難しいと言えます。
例えばホテルでアルバイトをしていた女の子がTwitterで「芸能人が今来ている」と、自分のフォロワーにだけこっそりと教えた事が、最終的に想像を超える多くの人達に見つかり、その個人の名前、写真などを特定されて結局ホテル側にも多大な迷惑をかけたのち、首になったという人がいました。
また、携帯メールから自動的にTwitterに投稿するサービスを利用していた人が、メールアドレスや番号を変更したので、再度登録お願いしますーと、一斉メール送信をしてしまった為に、自身の携帯番号などを、全世界に発信してしまった人もいました。
これはmixi、モバゲー、GREEなどにも言える事で、友達にだけ教えた事でも、同じく晒し上げされ、写真、名前、住所、趣味、友達関係、職場、学校などを公開されてしまうことがあるということです。
フィルタリングはあくまでもその「情報」に自分からアクセスできないだけであって、悪意ある人間をフィルタリングする事は出来ないと言うことです。
じゃあ危険だから携帯もたせないほうがいいのか
私個人の回答としてYesです。
ですが、これらは将来に渡り覚えていかなければならないことで、現在のネット社会を避けて通る事はほぼ不可能です。今持たせないことで、何か解決になるかというと、全く解決しないのです。
顔写真や、近所の写真を公開し続ければいずれは住所も特定されますし、GPS機能の充実により、写真に場所を特定する情報が入っているケースもあります。
GPS搭載デジカメ、iPhoneで撮影された写真をそのままメールで送ると、その撮影場所がピンポイントで地図として表示する事が出来るのです。
これらの事をまず、親であるあなたが学ぶべきことであり、それを教えていかなければならないと言うことです。
多くの子供たちは、何をすればどうなってしまうのかを知らないだけでやってしまい、そして大きな過ちを犯してしまっています。
タバコが値上がりするときに、未成年が
「タバコ値上がりとかほんとありえねーんだけど」
と、mixiの日記に投稿して、知らない人達にそれらを学校に通報されたりしてるのです。
親として、もう少し、一歩前進していかなければならないように思います。
それでは、また。